3月決算の上場会社にお勤めの法務・総務のみなさんは、この連休を挟んで招集通知と参考書類も仕上げに向けて佳境に入る頃で、株主総会モードにも拍車が掛かってくる頃でしょう。私も、毎年この時期は総会関連の書籍を読んで、会社法周りの実務知識のアップデートを心がけているところです。
特に、私が総会担当者だったころよりも増えているであろう
・株主提案に対する対応(総会当日の投票実務)
・委任状勧誘の限界
・招集通知のweb修正(twitterでも話題がちらほら)
・非株主の代理人出席対応(ウッドフォード氏の例)
・利益供与(モリテックス事件のクオカードとか)とお土産価格相場
のあたりは、トレンドを抑えておかなければという課題意識を持っていました。
そんな視点で今年選んだお薦めの1冊がこちら。
Q&A株主総会の実務著者:桃尾松尾難波法律事務所
販売元:商事法務
(2012-03)
販売元:Amazon.co.jp
この本を見つけたのは丸の内oazo内の丸善でしたが、同じ商事法務さんから出ている西村あさひの『株主総会の実務相談』とこれが並べておいてあって、2冊があまりにもコンセプトが一致、内容的にも丸被りなところにびっくりました(笑)。さすがにどうなんでしょう。総会シーズンだからとは言え、同じ時期に同じ出版社から同じコンセプトの本を(別の著者で)出すというのも珍しいというかなんというか。
ためしに目次を並べてみると
| 『Q&A株主総会の実務』 | 『株主総会の実務相談』 |
|---|---|
| 第1章 開催手続 第2章 招集通知・書面投票制度 第3章 株主提案 第4章 委任状勧誘 第5章 閲覧謄写請求 第6章 検査役選任 第7章 会場と開催時刻 第8章 事前質問 第9章 受付の事務 第10章 お土産 第11章 議事整理・議事進行 第12章 説明義務 第13章 動議 第14章 議案の採決 第15章 利益供与 第16章 総会終了後の実務 | 第1 章 株主総会の概要 第2 章 株主総会の準備 第1 節 招集手続 第2 節 書面投票制度 第3 節 委任状の勧誘 第4 節 株主提案権 第5 節 定時株主総会前の有価証券報告書の提出 第6 節 利益供与の禁止 第3 章 株主総会当日の運営 第1 節 受 付 第2 節 議事の運営 第3 節 質疑応答 第4 節 動 議 第5 節 決議方法 第6 節 議決権行使に係る諸問題 第4 章 種類株主総会 第5 章 特殊状況下の株主総会 第1 節 少数株主が招集する株主会 第2 節 総会検査役の選任 第3 節 震災時における株主総会 第6 章 各種書類の閲覧・謄写請求 第7 章 株式買取請求権 第8 章 株主総会等の電子化 第1 節 株主総会の電子化 第2 節 株券電子化 第9 章 株主総会後の手続 |
建付けは違えども、入っているコンテンツはほとんど同じ。ただし、西村あさひの『株主総会の実務相談』のほうが160ページ厚く、その分情報の絶対量は多いとは思います。後は、
・文体やレイアウトの読みやすさ
・値段
ぐらいしか差別化要素がないところ、ゴシック体のフォントや罫囲みを多用してあえて教科書チックではない編集にしている点が読みやすくできていた点と−2,000円お安い点が優位点でしょうか。実際のところ、迷いすぎて2冊とも買っちゃいそうになりましたが、すんでのところで踏みとどまりました。なお、Q&AのQについては商事法務さんのHPで確認できますのでご参考まで。

結論。西村あさひの『株主総会の実務相談』は会社に置いておく公式教科書として会社の予算で買っていただき、こちらの『Q&A株主総会の実務』は自分のアンチョコ的にお小遣いで買うっていうのではどうでしょうか(著者の皆様には失礼な言い方に聞こえたら申し訳ございません)。
というか、商事法務さんが確信犯的にそんな売り方を考えていたとしたら、まんまとそのマーケティング戦略にハマっているだけのような気がしてきました。









