前回紹介した『与信管理の実際〈1〉与信管理業務全般』の続編となるこの『与信管理の実際〈2〉財務分析』。


続編ではありますが内容は?とは独立しており、決算書を使った財務分析の手法論のみに絞って解説している本です。

与信管理のためには、決算書を読み込む能力が必要不可欠。一方で「決算書の読み方」本は、私がこれまで紹介しているものだけでもいくつかあります。
「俯瞰」でわかる決算書
決算書の暗号を解け!
経営の大局をつかむ会計 健全な”ドンブリ勘定”のすすめ

本屋にいけばこれらに限らずいくらでもありますし、皆さんもすでに1冊ぐらいはお持ちでしょう。別にこの本を買わなくても与信管理はできそうですが、そんな中でもこの本ならではの特色が2つあります。


1)勘定科目の細部に隠される「包蔵損失」を見破る技

一つは、日商簿記2級レベルの簿記知識があることを前提として、勘定科目の細部にまで突っ込んでいくところ。

対象企業の意図的な仕訳によってその勘定科目の中に「包蔵損失」がどのように隠されていくのかをパターン化して例示し、その見破り方を伝授してくれます。

対象企業の事務所にお邪魔して決算書・帳簿を見ながら審査できるシチュエーションなどでは、相手企業の社長や経理部長クラスに相当なプレッシャーを与えるハイレベルな質問を次々と繰り出せるようになるはず。

ここまでできてこそプロの審査マンとして営業担当の信頼を得られるようになるのだろうなと、読みながら反省した次第です。


2)EXCELを使った財務分析ツール

もう一つは、著者オリジナルの分析ツール「EXCEL版財務分析表」を提供してくれているところ。

1)の技の数々は、まだ簿記知識を身につけていない新任担当者にはどうにもこうにもハードルが高すぎるわけですが、こちらは明日から早速使えるということで即効性が高いですね。

ツールのダウンロードは以下の商事法務のサイトの下の方にあるリンクから無料でできるようになっています。ただし、肝心の使い方はこの本を読まないと分からないかもしれません。

EXCEL版財務分析表(商事法務)

実際にこの表を使って、著者が取引中に倒産にいたった国内・中国の上場企業の分析事例も紹介してくれており、リアリティを感じながら読み進められると思います。