企業法務マンサバイバル

企業法務を中心とした法律に関する本・トピックのご紹介を通して、サバイバルな時代を生きるすべてのビジネスパーソンに貢献するブログ。

裁判員制度

のりピー事件で裁判所がお蔵入りにしたあの裁判員の映画って、実は図書館で借りられるのね

 
意外や意外、最寄りの図書館でこれを見かけて、借りることができました。

s-shinri

裁判所も、そこまでは回収の手を回していないということでしょう。きっと、皆さんの街の図書館にも置いてあるはず。


判決。もはやコメディにしか見えず、よって使用自粛は相当。

酒井法子容疑者が主演の広報映画、使用自粛 最高裁(NIKKEINET)
最高裁は7日、覚せい剤取締法違反容疑で逮捕状が出た酒井法子容疑者が主婦役で主演した裁判員制度の広報用映画「審理」の使用を自粛すると発表した。裁判員制度への関心が高まるなか、イメージ低下を懸念したとみられる。
最高裁によると、DVDの配布・貸し出しを中止し、ホームページでの動画配信も停止。裁判所庁舎内に掲示したポスターは撤去し、今後予定している裁判所の行事での上映も見送る。最高裁は使用自粛の理由について「様々な事情を考慮した」としている。

内容は、電車内のちょっとしたイザコザが殺人事件に発展した事件において、被告人に正当防衛が成立するかが主な争点となる架空の裁判員裁判を題材に、酒井法子演じる主婦の視点から描く60分。判決の内容含めあまり奇をてらわない、とても常識的な作りになってました。

問題の使用自粛の判断については、今回これを借りて見るまでは、「別にいいじゃん、せっかく血税を使って制作したんだし割り切って見せれば」と思ってましたし、実際借りたのも結構真面目に見るつもりで借りたんですけど、

これを広報映画として使用し続けるのはたしかに無理だなと納得。

なぜって、イメージ低下云々の前に、映画自体がのりピーのせいでもう完全にコメディにしか見えなくなっちゃってるんですよ。
映画の設定と役柄上しょうがないんですけれど、のりピーが裁判員として被告人を諭すようなシリアスな台詞を何度もつぶやくたびに、一緒に見ていた妻と二人で腹を抱えて泣き笑いに近い大爆笑。
ドラマの終わりの方で、のりピー自身がこんなことを台詞でつぶやくんですが、
「私も恥ずかしくない生き方をしなくっちゃ。」
2人とも、ここでとどめを刺されましたorz...

こんな酒井法子の黒歴史を公式広報映画として後世に残せるはずもなく、お蔵入りの判断は適切だったことを確認した次第です。

ちなみにですが、広報用映画は公開が停止されたこの『審理』のほかにも

『裁判員〜選ばれ,そして見えてきたもの〜』
s-saibanin

『評議』
s-hyougi

などもあります。フラッシュとwmvでネット配信されていますので、ご興味ある方はリンクからご覧ください。

率直に言って、この2作品の方が脚本も役者の演技も完成度が高く(特に村上弘明主演の『裁判員〜』はオススメ)、公開停止にして相対的にこれらが注目されるようになったのは良かったのではと感じました。ケガの功名とでもいいましょうか。

裁判員制度ドラマスペシャル『サマヨイザクラ』

 
フジテレビ土曜プレミアム・裁判員制度ドラマスペシャル『サマヨイザクラ』を見ました。

原作はモーニングに連載されていた漫画だそうなのですが、見てない方にとっては以下ネタバレ注意ということで。


法律が施行された今だからこそ身に沁みる問題提起

もうドラマも終わりか・・・という大杉蓮演じる裁判長が主文読み上げる場面で、伊藤淳史演じる主人公のフリーターが自分のケータイに偶然写っていた新しい証拠を出し、慌てて閉廷したあげく判決が変わる大どんでん返しは、サスペンスとしては中々のものでしたが、訴訟手続き上はあり得ないでしょと突っ込みを入れつつ・・・

判決にいたるプロセスでの裁判員制度に対する数々の問題提起は、各キャストの迫真の演技とあいまって、引き込まれるものがありました。


自分と似た境遇、かつ自分も一歩間違えば同じように一線を越えてしまったかもしれないと半ば共感すら覚えるような犯罪をしてしまった被告を前に、自分自身を裁くような感覚を覚えながら、生死をかけた断罪をするということ。

しかも、その判断を一般人が集まって合議して行うがために、裁判官だけの裁判にはない「感情」に多分に影響された判決になりうること。

そして、裁判員の秘密は、おそらく裁判員自身の心の弱さによって簡単に破られるであろうこと。


すでに批判はし尽くされた感はありますが、法律が施行されリアルになった今ということもあって、いずれも自分にダブらせながら真剣に考えさせられました。特に3つ目の秘密保持義務違反は、ドラマのような漏洩は容易に起こりうるだけに、そうなったときに罰則が実際に適用されるのかは見ものです。

最後のドラマ的大ドンデン返しが無かったとして、自分自身があの場にいたら、裁判員が加わるからこそ新しい裁判にすべきという「感情」で、死刑回避に一票を入れたかなと思います。
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