最低賃金引上げ論と、それに対する異論反論を見ていての思いつき。


「最低賃金、時給1500円なら夢ある」若者らデモ(朝日新聞デジタル)
都道府県ごとに定められている最低賃金は現在、最も高い東京都でも時給932円で、最低の宮崎、沖縄両県は714円と目標の1500円の半額以下。仮に時給1500円で週40時間働くと、4週間で24万円になる計算だ。

 若者たちは「1500円は『健康で文化的な最低限度の生活』に必要な最低限の金額です」「1000円じゃなくて1500円と言うのは、ちょっと夢があるから。夢があるというのは(生活の)リアリティーがあるということ」と訴えた。

マクドナルドの「時給1500円」で日本は滅ぶ。(BLOGOS)
企業に過剰な責任を求めることは雇用の縮小につながる。結果的に皆が貧困に陥る危険性があり、すでにそのような状況になりつつある。もう雇用をセーフティネットかのように考えるのは辞めるべきだ。それによって、失業保険や生活保護など本来のセーフティネットが脆弱なまま放置され、解雇されたとたん貧困に陥る状況になっている。


ちなみに上記朝日新聞記事のデモ、主催者発表では1,500人が参加したそうなんですが、ジョークですかね…。


さて、単に最低賃金を引き上げることの影響は様々ありそうですが、容易に解雇できない(とされている)日本の労働法制の影響もあって、企業の採用選考のハードルは高くなってしまい、労働者自身の首を絞めることにもなりかねないのは、火を見るよりも明らかです。

低賃金かつ短い契約期間で更新を繰り返した挙句、安易に「雇止め」をするような、労働者の足元をみるような経営を問題視しているのであれば、最低賃金というスタートラインのハードルを上げるよりも、企業に対し有期労働契約の更新にあたって一定の昇給率による昇給を義務化するほうが、お互いにとってメリットと納得感があるのではないかと考えた次第。

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  • 使用者としては、継続雇用する=これまでの業務はこなせていて今後も経験を積んでさらに活躍してほしいと判断して契約更新を望んでいるのだから、昇給させることに合理性が感じられる(義務化された昇給率と見合わないと判断すれば、雇止めとなる3回の契約更新までに、有期労働契約を期間満了とするかいわゆる正社員として無期労働契約に転換すればよい)
  • 労働者としては、継続雇用されれば昇給が得られるという安心感を持て、かつそれまでに身に着けたスキルを梃子にしてさらに条件のよい就職先が見つかれば、労働契約更新のタイミングでそちらに転職するという選択肢も留保できる
のではと思われますが、いかがでしょうか。


もしこれを日本の労働法制に取り入れることになった際の課題としては、平成18年改正高年齢者雇用安定法(平成27年再改正)以降義務付けられた、65歳までの雇用確保措置としての継続雇用制度との峻別でしょうか。一般には60歳定年で再雇用の手続きがとられる際に労働条件をダウンさせられている実態がありますので、社会としてこれを許容していることとの矛盾が起きそうです。