「会社からは解雇と言われたけど、不当な解雇で私は認めていないし、書類選考も通過しにくくなりそうなので、履歴書には『在職中』と書いて転職活動をしたいです。」
リストラによる整理解雇や不景気に乗じた乱暴な普通解雇が増えているのでしょうか、最近こういう求職者が増えています。
「在職中」としたいなら、地位保全の仮処分の申立てが必要
「在職中」であるか「離職中」であるかは、転職活動、特に書類選考において大きな印象差を与えるのは否定できず、このような求職者の気持ちはわからないではありません。しかし残念ながら、会社から解雇の通知を受け退職日を迎えた日から、それが不当であろうがなかろうが、労働契約は将来に向かって解除されることとなります。
その理由は、解雇は会社の一方的な意思表示だけで労働契約の解除という法律効果を発生させる“形成権”の1つと解釈されているから。
労働者が単に「不当だから認めない」と解雇された会社に言い張っているだけでは法的には意味がないですし、そのまま「在職中」として転職活動をしていると(人事上の保険の手続き等でほとんどバレるわけですが)、解雇を隠匿したことと併せて、入社後に履歴詐称としても問題になりかねません。
会社が一方的に不当な解雇を通知してきた場合で、「在職中」の身分を確保しながら会社と解雇権濫用を争いつつ転職活動をしていきたいなら、面倒ですがまずは従業員としての地位を法律上仮に認めてもらう地位保全の仮処分を申し立てる必要があります。
『労働法 第八版 (法律学講座双書)
『解雇・退職をめぐる実務対策 (労働法実務シリーズ)









