今月は、創刊1周年特大号ということで、題字が金色でいつもと違う雰囲気。なんか豪華っぽい!
特集も豪華2本立て。
第1特集が、「リストラ実務と労働法リスク」
第2特集が、「ハイスペック法務を目指す能力開発&ステップアップの道標」
第2特集では、他社の法務パーソンのスキルアップ環境がいかに恵まれてるかを思い知らされ(法務部の書籍購入費予算は年間5万〜90万/定期購読誌は1〜20誌/有料セミナー参加件数は年間3〜70件/勉強会を週1.5時間〜3時間実施etc)、不景気の波に飲みこまれ浜に打ち上げられてメンバー全員干からびそうになっている私の職場とのあまりの違いに色々コメントしたいこともあるのですが・・・。
単なるひがみになりそうなので控えさせていただきまして、本職の労働法絡みの方にコメントさせていただきます。
日本の解雇は簡単だ
特集の中でも際立っていたのは、何と言ってもフレッシュフィールズブルックハウスデリンガー法律事務所の弁護士、岡田和樹さんのインタビュー。
題して、「解雇を難しく考えすぎない―労使双方の経験をもつベテラン弁護士からみた日本のリストラ事情―」。
外資系企業の役員をしている外国人からは、「日本の法律は労働者に有利過ぎる」というようなことをよく言われるのですが、私は「とんでもない。日本では使用者の方がよほど楽だ」と反論します。
現状を前提とするかぎり、使用者はあまり訴訟リスクを気にする必要はないと思います。労働者は裁判まで起こして負けたら本人の将来を考えると最悪なので、訴訟リスクは使用者側より格段に大きいのです。
岡田弁護士がこここまで断言する決定的な理由は、アメリカと比べた日本の証拠開示制度の甘さにあります。
ディスカバリー制度もない日本では、顧客とのEメールのデータをはじめとして労働者の労働実態を示す証拠はすべて企業が握っており、労働者は会社の中で起こっていることを証明できないという現実がある、ということです。
かつては国鉄の労働組合側代理人として活躍していたにもかかわらず、立場を一転、現在は使用者側の立場で活動する弁護士ならではの「実戦」的コメント。
特集の写真ではすごく柔和な笑顔なのに、鬼のようなことをサラリと言ってますね・・・(苦笑)。
私も仕事がら、労働基準監督署に駆け込む労働者を何人も見てきましたが、労働基準監督署も個別の紛争解決において職場から証拠を集めるところまでは補助してくれません。「企業と交渉して、○○をもらってきてください。そうしたら企業を指導しますから。」というスタンス。
それでは労働者はいつまでも泣き寝入りなわけですよ、労基署の皆さん。
今はまだ、このことを企業側もあまり理解していません。ですので、「労働者が労基署に駆け込んだ!」と聞くと、企業も焦って大幅に譲歩した和解案に応じたりするわけですが、岡田先生のような弁護士が企業側に立ってこのような知恵を授けはじめると、労働者にとっては良くない方向に形勢が傾いてしまうかもしれませんねぇ。









