企業法務マンサバイバル

企業法務を中心とした法律に関する本・トピックのご紹介を通して、サバイバルな時代を生きるすべてのビジネスパーソンに貢献するブログ。

兼業・副業

日本の終身雇用文化の何がダメかって、サラリーマンの自主・自立を阻害するのがダメなんだ

 
今週発売の東洋経済で知った“モチベーション3.0”というキーワード。

週刊 東洋経済 2010年 3/27号


フリーエージェント社会の到来』『ハイ・コンセプト』のヒットで有名なダニエル・ピンク氏が、最新の著書『Drive』で提唱しているコンセプトのことです。

日本的終身雇用文化は、日本人の自主・自立精神を骨抜きにする

モチベーション1.0が動物としての生存本能に基づく欲求、2.0が与えられた目標を達成することで金銭や名誉を獲得することを目指す欲求なのに対し、モチベーション3.0は、成長・知的興奮を求める自発的な欲求のこと。

そして、そのモチベーション3.0を支える重要な要素が
1)自主・自立
2)熟達・専門性
3)理念・目的
の3つであり、これまでのカネに基づく成果主義(=モチベーション2.0)では創造性を破壊するばかりで、これからより求められるイノベーションを生む原動力とはならないよ、というのがダニエル・ピンクの主張。

これを読んで私が思ったのが、日本の終身雇用文化の何がダメかって、モチベーション3.0に必要な1)のサラリーマンの自主・自立を阻害しているのがダメなんだろうな、ということでした。

ダニエル・ピンクのコンセプトに当てはめれば、とりあえずクビにならない限り食べさせてもらえる(=モチベーション1.0の充足)、会社の言う事を聞き与えられた目標さえ果たしていれば給料が上がり役職を上げてもらえる(=モチベーション2.0の充足)という意識どまりのサラリーマンを大量生産こそすれ、自主・自立の精神を育む要素は一つもありません。むしろ、会社は従業員を組織に依存させることでロイヤリティを高めようとする方向に傾き、人材はタコツボ化していくばかりで、モチベーション3.0的には百害あって一利なしでしょう。

同じ理念・目的を持った者同士による、より緩やかな協同へ

では、この日本的終身雇用文化から抜け出し、モチベーション3.0を生み出すにはどうすればいいのか。

東洋経済のこの特集では、この自主・自立の精神を育むことに成功しているモデルケースとして、副業と労働時間の自由を完全に認める一方で給与は全員同一額としたユニークな企業、ソウ・エクスペリエンスさんを取り上げています。

私も、このblogやTwitterで何度か言及してきましたが、まずはサラリーマンに兼業・副業を認め、会社という場を「同じ理念・目的を共有できる人が緩やかに協同していくことにコミットしあう場」に変えて行くアプローチが現実的かと思っています。
その上で、自分なりのオリジナルな理念・目的を掲げて人を集めたい方が、起業というステップを踏むのではないかと。

s-928569_15571599

今やっておくべき事は、熟達・専門性づくり

ただし、その緩やかな協同や起業を成立させる前提として、ダニエル・ピンクも挙げているようにまずは自分自身になんらかの熟達・専門性がなければならないということは、忘れないようにしたいところです。

日本的終身雇用文化が与えてきたモチベーション1.0と2.0に浸りきって、気付けばなんの仕事にも熟達しておらず、たいした専門性も身についていない・・・となる前に、自分はこれで生きるんだと決めそれに関連する勉強・キャリアを積み続けておくことが、来るべき新しい働き方の実現とモチベーション3.0の充足に向けて、私達ビジネスパーソンが今やっておくべきことなのだと思います。

富士通子会社のワークシェアリング導入と兼業・副業許可

 
今朝ネタにしたワークシェアリングvs兼業・副業権の確保の話が、ちょうど新聞・ネットでも話題になっているようですね。

副業OK 究極の雇用策 ワークシェア 富士通の決断(フジサンケイビジネスアイ)
電機大手の富士通が国内工場の正社員を対象に、就業規則で禁じているアルバイトなど「副業」を認めたことが3日わかった。同社は今年1月から国内工場でワークシェアリングを導入したが、これに伴う賃金の減少分を補填(ほてん)するため、例外措置として副業を容認した。

副業を認めたのは全額出資の半導体子会社、富士通マイクロエレクトロニクス(東京都新宿区)の国内3工場。半導体の主要工程を担当する三重工場(三重県桑名市)と会津若松工場(福島県会津若松市)、岩手工場(岩手県金ケ崎町)の正社員計5000人のうち、大半にあたる製造現場の勤務者が対象だ。

富士通と言えば、90年代前半に目標管理による成果主義をいち早く導入したかと思えば、2005年にいち早くその弊害を問題視してその成果主義を見直すなど、人事施策に対するアンテナと反応速度は超敏感な企業。さすがといわんばかりの動きです。

記事検索
月別アーカイブ
プロフィール

はっしー (Takuji H...