クリエイティブ・コモンズ・ジャパンによる「日本版フェアユースに関するアンケート」の集計結果を拝見しました。
▼クリエイターや一般ユーザーは日本版フェアユース導入に積極的(クリエイティブ・コモンズ・ジャパン)

「クリエイター」と「一般ユーザー」以外に利害関係者っていましたっけ?全員賛成ってことですか?というタイトルへの突っ込みはさておき(笑)、赤色の個別制限規定派のボリュームに対して、青色の一般制限規定すなわちフェアユース規定導入派が3倍にもなっています。
基本的にフェアユース規定導入を支持している団体のアンケート結果なので、大幅に割り引いて見たとしても、ここまで多くの方が「このインターネットの時代に法律でガチガチに禁止・規制しても法律が時代に追いつかないから、規定は曖昧な一般制限にしておいて、柔軟な運用で解決するっていうことでいいんじゃないか」と思っているんですね。
フェアユース推進派は、内田先生に法改正を進言しては?
アメリカで導入されているフェアユース規定は、それまでの度重なる裁判によりコモンロー(判例法)が認めてきた被告側の著作権侵害の抗弁の要素を抽出し、1976年に米国著作権法107条に一般制限規定として“後付け”で明文化された、という成り立ちがあります。
コモンロー(判例法)を前提としている法体系だからこそ、一般制限規定という曖昧な方式でも、権利者にとっての法的安定性や予測可能性が保障されているわけです。
一方この日本では、大陸法の成文主義が採用されていて、最高裁判例以外は先例としての価値を持たないことを前提としています。従い、最高裁判例が数十件分ぐらい出ないうちは「争ってみないと何がフェアなのか分からない」という状態となりかねません。
3年で1件ぐらいのペースで先例としての価値を持つ最高裁判例が出たとして、法的安定性・予測可能性が確認できるほどの最高裁判例の数が得られるのは、一体いつになることやら。
その意味で、著作権法の一部だけがコモンロー的発想をとるというのはやっぱりおかしいのではないかと思いますし、ちょうど今まさに100年に一度の民法(債権法)大改正の議論もしているわけですから、どうせなら思い切って一般法である民法に加えてその特別法である著作権法もまるごとコモンローに切り替えるか否かぐらいの大局的議論に持ち込んで欲しいと思っておりますけれど。
内田先生、いかがでしょうか?
『デジタルコンテンツ法の最前線―発展するコンテンツビジネス
『債権法の新時代―「債権法改正の基本方針」の概要









