著者の佃先生は、3年ほど前に知人の紹介で私自身のプライベートの法律相談に直接乗っていただいたご縁のある弁護士(先生、その節はお世話になりました)。
その時はプライバシーとは全く関係ない相談だったので、先生がこのような著書を出されているとはつゆ知らず、ひょんなことからamazonでプライバシー権の文献を探している中で佃先生のお名前を発見し、即効で購入しました
プライバシー権・肖像権の法律実務〈第2版〉 [単行本]
著者:佃 克彦
出版: 弘文堂
(2010-11-30)
マニアックな裁判例まで収集
プライバシー権が争われた裁判例について、それぞれどのような学説に立っているのかに加えて、その裁判例・学説に対する著者自身の評価・見解がきちんと整理されています。
プライバシー権だけを真正面に捉えた本が少ないだけに、貴重な文献です。
取り上げられている事例が、前科(犯罪歴)のような「いかにも」なセンシティブ情報にとどまらず、
・私信
・住居情報
・収入(家計)
・書籍・雑誌の購読の事実
・講演会の参加申し込み
・政治的活動
といった、聞いてしまいがちだけれどもよく考えると“濃い”センシティブ情報に対するプライバシー権の考え方・裁判例に言及しているのが特徴です。
人材サービス業を悩ませるプライバシー情報の取り扱い
人材サービス業界においては、転職のご相談の中で、ご本人の職務経歴だけでなく、年収、家族構成、時には障害やご病気まで、ご本人の口からかなりプライバシー度の高い情報を聞いてしまうことがしばしばあります。
こんなとき、どのような態度で顧客と向き合うべきか、応募先企業サイドにそれを伝えるべきか否か、悩むこととなります。
日本の最高裁判決、およびそれを受けたいくつかの下級審裁判例をみると、「プライバシー権とは、自己の情報の流通をコントロールできる権利である」という“自己情報コントロール権”説に立っているといわれています。
この“自己情報コントロール権”説を前提とすると、人材サービス会社が求職者に関するネガティブな情報(たとえば犯罪歴)を知っても、それを企業に伝えるか伝えないかはご本人の判断次第、ということになってしまう余地があります。
しかし、求職者のネガティブな面を隠してご紹介を続け、それを後で企業が知ることになった日には、(求職者のプライバシー権を建前にしたところで)企業は激怒することでしょう。
このような板挟みに遭遇しながら、どのようなスタンスで求職者/企業と向き合っていくかが、人材サービス業の悩みどころなのです。
(現実、いい加減な人材紹介会社では“悩み”もせずに企業にあらゆるプライバシー情報を話したり、都合が悪いと隠したりしているという実態もありますが・・・)
悩んではいるものの、私自身はこの“自己情報コントロール権”説に批判的な立場です。この点については、またエントリを改めて述べたいと思います。
その時はプライバシーとは全く関係ない相談だったので、先生がこのような著書を出されているとはつゆ知らず、ひょんなことからamazonでプライバシー権の文献を探している中で佃先生のお名前を発見し、即効で購入しました
プライバシー権・肖像権の法律実務〈第2版〉 [単行本]著者:佃 克彦
出版: 弘文堂
(2010-11-30)
マニアックな裁判例まで収集
プライバシー権が争われた裁判例について、それぞれどのような学説に立っているのかに加えて、その裁判例・学説に対する著者自身の評価・見解がきちんと整理されています。
プライバシー権だけを真正面に捉えた本が少ないだけに、貴重な文献です。
取り上げられている事例が、前科(犯罪歴)のような「いかにも」なセンシティブ情報にとどまらず、
・私信
・住居情報
・収入(家計)
・書籍・雑誌の購読の事実
・講演会の参加申し込み
・政治的活動
といった、聞いてしまいがちだけれどもよく考えると“濃い”センシティブ情報に対するプライバシー権の考え方・裁判例に言及しているのが特徴です。
人材サービス業を悩ませるプライバシー情報の取り扱い
人材サービス業界においては、転職のご相談の中で、ご本人の職務経歴だけでなく、年収、家族構成、時には障害やご病気まで、ご本人の口からかなりプライバシー度の高い情報を聞いてしまうことがしばしばあります。
こんなとき、どのような態度で顧客と向き合うべきか、応募先企業サイドにそれを伝えるべきか否か、悩むこととなります。
日本の最高裁判決、およびそれを受けたいくつかの下級審裁判例をみると、「プライバシー権とは、自己の情報の流通をコントロールできる権利である」という“自己情報コントロール権”説に立っているといわれています。
この“自己情報コントロール権”説を前提とすると、人材サービス会社が求職者に関するネガティブな情報(たとえば犯罪歴)を知っても、それを企業に伝えるか伝えないかはご本人の判断次第、ということになってしまう余地があります。
しかし、求職者のネガティブな面を隠してご紹介を続け、それを後で企業が知ることになった日には、(求職者のプライバシー権を建前にしたところで)企業は激怒することでしょう。
このような板挟みに遭遇しながら、どのようなスタンスで求職者/企業と向き合っていくかが、人材サービス業の悩みどころなのです。
(現実、いい加減な人材紹介会社では“悩み”もせずに企業にあらゆるプライバシー情報を話したり、都合が悪いと隠したりしているという実態もありますが・・・)
悩んではいるものの、私自身はこの“自己情報コントロール権”説に批判的な立場です。この点については、またエントリを改めて述べたいと思います。









