ビジネス法務の部屋で紹介された影響でしばらく売り切れ状態だったこの本を、ようやく手に入れることができました。
『企業不正対策ハンドブック―防止と発見
ちょうど監査法人トーマツさんが「企業の不正リスク実態調査」を実施・公開していて、
回答企業の2 割(21%)で不正が発生。その内訳は資産横領(69%)と不正財務報告(22%)が主。なんていう結構衝撃的な数字が出ていることもあり、事故やミスの防止以上に内部者の悪意ある不正防止が内部統制の次なるトピックスになりそうな予感。
不正の原因として、不正コントロール(対策)の不備(33%)、企業風土や従業員の倫理観の欠如(22%)。
内部統制報告制度は、「一定の効果がある」が70%となったが、「有効な体制が整備できた」は21%。
そんな中、旬なテーマをターゲットにした注目度大の本だと思います。
あらゆる不正を体系化したこれからの内部統制のバイブル
装丁の豪華さも、中身の充実度も、まさに企業内不正に関するバイブルの名にふさわしいもの。
著者の長年の経験と研究から導かれた、この本の目次の役割も果たしている“Fraud Tree(不正の体系図)”だけをとってみても、6,000円支払う価値を感じていただけるはず。
私が何よりも気に入っているのは、その不正体系化の妙だけでなく、この本が対象としている「不正」の幅広さ。
従業員による不正だけを問題視するのでなく、発生件数の実に19.3%を占める(本書P31 2006年全米不正動向調査より)オーナーや役員による不正までも対象としている点、
帳簿の操作や下請けからのキックバックといった典型的な不正だけでなく、昼休みや休憩時間の無断超過といった生産性を下げる逸脱行為をも不正の一つと捉えて分析する点、
これらを見れば、警察のように従業員を取り締まったり、現場の生産性を阻害するだけではない、内部統制2.0とも言うべき本当に役に立つ高次元の内部統制を実現するための知恵がこの本に詰まっていることが、お分かりいただけるのではないでしょうか。









