福岡で活躍するベテラン熱血弁護士萬年先生が、受任した事件や顧問を務める会社のビジネス現場を通して目撃した人間模様を描き、
若き法曹が、この人間模様を通して広い世間の現実の姿を少しでも学んでいただければ、将来、多様な事件、人々と向き合う際に、多くの指針・参考になるであろうし、ビジネスマンにとっても、「人間力」「交渉力」を磨きビジネスを成功に導くためのヒントになるのではないかという思いでまとめたエッセイ集。
人を動かす「人間力」の磨き方―熱血弁護士の事件簿に学ぶ
裁判所で見る人間模様の疑似体験
社会人も11年目にもなり、その中でも法的紛争に巻き込まれる法務という立場に長く身を置き、最近では人材ビジネスで「労働」にまつわる様々な人間模様を目にする立場にいると、ほとんどのことに驚かない、感覚が麻痺したような気になることがあります。
そんなときには私は決まって裁判傍聴に行きます。裁判ならではの普段目にしないようなえげつない人間模様に驚きながら、ああ、自分もまだまだ人間らしい感覚をもってて良かった!と思うとともに、切羽詰まった・追い詰められた人間はどうなってしまうのかを学ぶことができます。
「萬年弁護士の事件簿」ともいうべきこの本でも、私なんかの限られた経験では知りえないような人間模様が描かれており、裁判所で味わうあの感覚を疑似体験しているかのような気分になれます。
法務パーソンに求められる人間力=常識を見失わない力
紛争は人間が起こしたものである。それは人間の欲望の結果であったり、手違いやミスが起こしたものであるから、人間の叡智内で解決できるはずである。そこで人間がルールを設定して文章化したものが法律である。その意味で法律は常識を文章化したものである。
弁護士に求められる人間力とは、常識力であると説く著者。
ビジネスにおける紛争やコンプライアンス上の問題も、そのほとんどが当事者いずれかの常識を欠いた行為に原因があり、常識に立ち戻って考えれば何がまずかったのか、どちらが悪かったのかはすぐに分かります。
一方で、ビジネスとは、少ない労力で大きく儲けたいという人間の欲望が極大化される場であるだけに、常識を欠いた行動を起こしがちなのも事実。
そんな利益を追求するビジネス現場においても、ある種の冷静さを保って、常識を見失わずに是非を判断できる存在でありつづけること。
それが、法的専門力以上に法務パーソンに求められる人間力ではないかと思います。









