一週間ほどSingaporeに滞在していました。ここ数年定期的に訪れていることもあり、今回はちょっと違った視点からSingaporeを見てみようということで、時間をみつけて大きめの本屋さん4店舗に寄ってみました。

いずれも巨大ショッピングモールの中にある同国内有数の蔵書数を誇る書店です。英語が公用語であり、かつアジアのビジネスセンターとしての成長著しいSingaporeの本屋であれば、日本では手に入らない法律書もあるかもと期待してGo。

{prologue}


IMG_5353IMG_5349こはION(イオンじゃなくてアイオン)という2年前にグランドオープンしたばかりの大きなショッピングモールにある本屋です。
ブティックのように本を見せるのがコンセプトのオシャレ系書店ということもあり、ビジネス・学術系書籍の棚数は合計200段前後とそれほど多くありません。うち法律書籍はかろうじて2段程度。
シンガポールならではの、隣国マレーシアの労働法の本などを2冊購入。


PAGEONE


IMG_5453IMG_5449VivoCityという、ちょい若者向けのショッピングモールの中にある書店。
床が板張りだったり、棚が不規則に並んでいたりと面白い店作りで、ふらふら歩き回って過ごすのにぴったりの、日本には無いタイプの本屋です。
法律系書籍は写真に映ったこの棚の6段分程度ありました。ビジネス・学術系書籍の全体量は{prologue}の2倍ぐらいはあるでしょうか。
ここでは、シンガポール法のバックグラウンドを形作る英国法の本を2冊購入。


Barnes& Noble


IMG_5547IMG_5545言わずと知れた米国最大の本屋にして今身売りの危機にあるバーンズ&ノーブルのシンガポール店。22:00にはほとんどの店が閉まるシンガポールで、深夜0:00まで営業している点、そしてソファーや絨毯に座り込んで読むことができる点が人気のようです。
ここは今回が初めての訪問だったこともあり期待してたんですが、広いフロアの中ゆうに1,500段はあるビジネス書籍の棚の中のたったの1段、しかもこの写真に写っている数冊しか法律系書籍が置いておらず、これはかなりショックでした。


KINOKUNIYA


IMG_5556IMG_5555最後の頼みの綱は、我が日本代表、紀伊国屋シンガポール本店。
さすがというべきか、他3点の蔵書数を遙かに上回る蔵書数で、約30段程度が法律系書籍に当てられています。Contract LawとLand Lawの実務書、大学で使われるような教科書・基本書が充実していて、法学部と思われる学生もちらほら。私の興味分野である労働法も2段分ありました。
Amazonでは1〜2ヶ月待ち表示となっていた主要九カ国の労働法を比較するちょっとお高い本を1冊だけ購入。もう1冊、インドの契約法という興味深い本もあって手が伸びたのですが、3万円近い値段にさすがに躊躇。


総括すると、あらためて法律書籍ってマニアックな存在なんだなあと思った次第です。日本のように活字・出版文化が異常に発展していると、多少ニッチな内容であってもビジネス書・専門書として出版されてそれが当然という感覚になってしまいますが、洋書では圧倒的にそういうものが少ない(逆に学術論文として発表されることの方が多い)のでしょう。様々な士業従事者や学者やらが出版してはすぐに消えていく法律書籍が、どんな小さな書店でもそれなりの面積を占めて売られているというのは、日本特有の文化なのだと思います。


そして、書店めぐりを通してシンガポールを眺めて今回気になったのが、中国語が思っていた以上に幅を利かせつつあることです。去年訪れた時には無かった“中国語書籍だけの書棚”が、どの書店でもそれなりの面積を占めるようになっていたのは、明らかな変化でした。

IMG_5445IMG_5447

書店だけではなく、国内どこにおいてもシングリッシュの中国語訛り(ていうかほぼ中国語)は誰と話しても以前にもまして激しく、何を言っているのかさっぱり分からないこともしばしばで、英語で聞き返しても何食わぬ顔で中国語で押し切られる始末。アジアの経済センターとしてのシンガポールで、自分たちがイニシアチブを握るためにわざとやっているんじゃないかと邪推してしまうほど。去年すでに感じていた著しい“シンガポールの中国化”は、この1年で更に加速した感があります。

アジアでサバイバルしていくには英語どころじゃなくそろそろ本気で中国語も必要、という現実をこれまで以上に目の当たりにし、英語すらも覚束無い私としては一体どうしたらいいのやらと、途方にくれる一週間となりました。