本田直之さんの『レバレッジ・マネジメント』の巻末にある必読書リストに素直に従って読んでみた本。
『Den Fujitaの商法〈2〉天下取りの商法』
口の汚さも天下一品
藤田田(デン)さん、とにかく口が汚い(笑)。
今日のように、これだけ物資が豊富になり、人間が贅沢になると、どこに本当の需要があるか、見つけにくい。
食べ物にしても同じことである。食べものもあまっていて、誰もが何を食べるべきか迷っているのが現状である。だから、相手の口の中へ、なんとかしてハンバーガーを押し込んでいかなければならない。それがむずかしいのだ。
本当に商売をする気があるのなら。40歳以上は切り捨てて、39歳以下のムダ使いをする連中を相手にしなければ儲からない。
客だからというので、大きな態度で、ハンバーガーを注文する。商売を成功させるのが先であって、上品さなど百害あって一利なし、といわんばかりの口ぶり。
そんな客も、女の子が、「ありがとうございます」というと、しびれてしまう。ほんの3秒間ぐらいの間だが、催眠状態におちいる。
そんな生粋の商売人が、油ののった頃(1983年初版⇒1999年新装版として加筆)に、経営論だけでなく科学的な部分もふくめたマクドナルドの成功ノウハウの数々を惜しみなく公開しながら、商売の秘訣を語っています。
この口の汚なさを含めて、帯にも書いてあるとおり、不景気を言い訳にしがちな今の日本や自分に喝を入れるのに丁度よい刺激を与えてくれます。
サービス業の良し悪しは、従業員の“雰囲気”で決まる
加えて藤田さんについて忘れてはならないことが一つ。
日本における偉大な経営者として挙げられる松下幸之助さん・井深大さん・本田宗一郎さん達はいずれも製造業の経営者であったのに対して、藤田田さんは、日本のサービス業で大きな成功を収めた偉大な経営者の先駆けであるということ。
日本は一次産業も二次産業も行きづまってしまっている。このままでは、どんな政治家がでてきても景気回復は、はかれない。サービス業の偉大な経営者の言葉だからこそ、今そのサービス業に身を置く私のような者に、刺さる言葉が溢れているのです。
これ以上、モノはいらないから、一次産業や二次産業ではダメで、残されているものは三次産業しかない。つまり、サービス産業である。
「良くて、安い」ものでも、かならず売れるとは限らない。売るためには、「良くて、安い」上にプラス・アルファーが必要なのだ。その藤田さんの言葉の数々の中で、一番考えさせられたのがこれ。
そのプラス・アルファーとは何か。
私は雰囲気だと思う。ショッピングをしやすい雰囲気を作ることが大切だ、と思う。
良いもの、安いものにプラス舞台装置、上手な演出。これが必要なのだ。これがなければ「良くて、安い」ものでも売れるとはかぎらない。
今、私がいる人材サービス業界は、「良くて、安い」サービスを追及するだけ追求し、競争を生き抜こうと過当競争に陥っています。二言目には、「不景気でも品質と価格で勝ち抜いているユニクロを見習え」と。
しかし、我々はユニクロとは違うサービス業です。人とダイレクトに接し、人そのものがサービスである人材サービスにおいては、藤田さんのいうとおり、“雰囲気”が商品そのものと言っても過言ではないはず。
その“雰囲気”を創るのは誰か。
それは従業員。
従業員の雰囲気こそが、そのままサービス力になる。
だからこそ、藤田さんがこの本のそこかしこで語っているように、従業員を大切にすることでサービス業は強くなるわけであり、実際に長年にわたりマクドナルドがサービス業の雄として生き残っているんだなあと。
このことは、私の親戚にもマクドナルド関係者がいるだけに、リアルに実感できます(昨年の管理監督者騒ぎは残念でしたが)。
私が身を置き、今苦しみもがいている人材サービス業がこの不況において今何をすべきか・何を忘れてはならないかを深く考えさせられた本でした。









