企業のリスクマネジメントにおいて、「リスク」とは、ステークホルダーに対して約束している企業価値を損なう可能性をもつ事象のこと。
あくまで可能性であって、今現在は現実のダメージとして発生していない状態にある事象をいいます。
これに対して、現実のダメージとして発生しており、実際に企業価値を減少させている事象を、「クライシス」といいます。
この定義の違いを曖昧にしたまま、つまりリスクという言葉にクライシスを含めたまま議論をしてしまうと、リスクコミュニケーションはうまくいきません。
いまだクライシスになっていないリスクをすべて脅威と捉えてしまうと、すべて回避・排除・処理しなければならないことになります。それでは現場の業務がすべてストップすることになり、企業経営は成り立ち得ないからです。
クライシスが発生した際の影響度と事後処理の方法をしっかりと想定した上で、クライシスの発生源たるリスクについて
・受容・許容できるもの
・費用をかけて回避・排除・処理する必要があるもの
の境界を、冷静な視点で判断することが大事。
この厳しい景況感の中で、リスクマネージャーにはまさにその冷静さと選球眼が問われていると実感しています。









