企業法務マンサバイバル

企業法務を中心とした法律に関する本・トピックのご紹介を通して、サバイバルな時代を生きるすべてのビジネスパーソンに貢献するブログ。

_与信・債権回収法務

【本】決算書の暗号を解け!

久々に、与信・取引審査業務にダイレクトに役立つ本を見つけることができました。

と思ったら、また勝間さん・・・
すごいよ!マサルさんならぬ、すごいよ!勝間さん、ですね。

10月に発刊、先週末Amazonに発注して届いたものが4刷でしたから、売れ行きも相当よさそうです。



サブタイトルが「ダメ株を見破る投資のルール」となっているように、個人投資家向けに投資判断のアドバイスをする切り口になっていますが、著者の勝間さんの本業である「会計(利益)操作を見破るのための監査ポイント集」という捉え方の方が、この本の真価を言い表せるのではないかと思います。

特に優れているのが、222ページとコンパクト(だけど文字大きめ、図表も盛りだくさん)なのにもかかわらず、損益計算書/貸借対照表/キャッシュフロー計算書のすべてについてポイントをまとめた上で、それらの相互関連性についてもバランス良く解説してくれている点です。

このテの決算書の読み方本って、

1)基本的な会計用語・会計ルールに触れすぎるあまり、
  実践に使える(決算書を自分で読み下せるように
  なる)レベルにまで達していない。
2)貸借対照表と損益計算書については解説があるが、
  キャッシュフロー計算書の解説がおざなり。
3)「財務諸表3表には相互に関連性がある」ことには
  言及しているが、実際にどことどこをどのように
  あわせ読めばいいのか(相互関連性について)、
  具体的な解説がない。
4)専門的過ぎて、ページ数が多くなり、読みにくい。

のいずれかのパターンに陥りがち。

そんな中、この本はこれらの欠点をすべてクリアしている、とってもバランスの良い本です。

ただし1点注意点としては、上記1)の欠点がないぶん、つまり基本的な会計用語・会計ルールに触れていないぶん、読み手のレベルとしてはビジネス経験3年以上は求められているかなと思います。
(経験が浅くても、簿記3級を持っていれば、分かるレベルではあります)

与信・取引審査と監査は似て非なるものだとは思いますが、この本にある「無理やり利益を出そうとしている会計操作を見破るテクニック」は、特に取引中の企業の与信を審査するという場面で、役立つと思います。


週3冊本を読む法務マンの本棚と書評を見たい方はこちらをクリック!

【本】経営の大局をつかむ会計 健全な”ドンブリ勘定”のすすめ

入社して3年目位のときでしょうか、当時法務部門への異動を希望していた私は、財務諸表が読めるようになる=その会社が健全な経営を行っているのかぐらいは分かるようになる必要があると思い、簿記検定を受検しました。

勘定科目の意味や減価償却とはどういう仕組みかぐらいのことは分かるようになりましたが、当初の目的であった会社の経営状態が分かるような域には達せず、合格してもこんなものかと思った記憶があります。

この本は、そういう「簿記・会計の勉強に意味は感じないが、経営状態を評価できるようにはなりたい」という方にお勧めしておきたい本です。

著者は冒頭、

・会計とは、英語・ITとならぶ3大ビジネス言語/ツールの1つ

・英語・ITも実践を通じて覚えていくように、会計も実践、すなわち数多くの実際の財務諸表を見て読み方を覚えていくしかない

・会計では、貨幣価値に置き換えられるものしか表現できず、従って“経営”の全てを表現できない限界はあるが、世界的に統一されたルールで公平に経営の写像を表現できるツールは、会計以外存在しない

と、体当たりで会計を学ぶことの意味を諭します。

その上で、実際の企業の財務諸表を例に挙げながら、財務諸表から経営状態をざっくりと読みとるプロセスを、堅苦しくない語り口で解説してくれます。

貸借対照表(B/S)、損益計算書(P/L)を数字のまま眺めるのでなく、数字の大きさごとに棒グラフのように表現することで、その会社の特徴、ビジネスモデルが想像しやすくなるというアイデアや、

B/Sで示されるストックと、P/L・キャッシュフロー計算書(CF)で示されるフローとの関係を企業活動を事例に分かりやすく解説してくれているなど、

このエントリ冒頭で私が述べたような目的意識をお持ちの方には是非お勧めしたいです。

まあそうは言っても、個別勘定科目の意味は自分で勉強して覚えないと、いつまでたっても財務諸表を読み解くことはできないので、「ビジネスマンたるもの簿記はいつか勉強しないとダメ」というのが、私の結論です

ビジネスパーソンが気持ちよく働ける社会作りに向けて頑張ります。ご支援いただける方はこちらをクリック!(blogランキング)

【本】ライブドアの世界一になるキャッシュフロー経営

堀江貴文・宮内亮治/著、サイビズ
価格:1,380円(税別)
評価:★★★★


月次でキャッシュが順調に増えていく会社がいい会社であり、社長はそれを確認するためにも月次でキャッシュフロー計算書を作り、チェックしながら経営をすべし、という至極真っ当な理論を述べた本。

ライブドアがどのようなキャッシュフロー経営をしているのか、という自慢話に終始するのかと思いきや、ちゃんと貸借対照表や損益計算書などの一般的な決算書の重要性、決算書のどこに注意するとダメな会社といい会社がわかるのかといった基本的なことについても言及されていて、タイトル・見た目で受ける印象よりも内容のある本になっています。

この点、企業の審査業務に携わる方にもお勧めです。
続きを読む

【本】MBAバリュエーション

価格:2,400円(税別)
版刷:2005年3月初版4刷
評価:★★★★★

『MBAバリュエーション』

ダサいタイトル・・・
品のないオレンジと黒の巨人軍カラーの表紙・・・

本屋で見つけても絶対買わない・手にもとらないタイプの本なんですが、amazonの書評や色々な方のブログで絶賛されていたので読んでみたところ

うわさどおりのとんでもなく素晴らしい本でした。続きを読む

【本】戦略財務会計

西山茂/著、ダイヤモンド社
価格:3,200円(税別)
評価:★★★

ビジネスブレイクスルー社「経営管理者育成プログラム」推薦図書よりもう一冊ご紹介します。

財務諸表から経営状況を分析する手法についての本はたくさんあります。今日ご紹介する本は、キャッシュフロー計算書(CF)の分析を最初に持ってきているところがとってもユニークです。

続きを読む

【本】コーポレートファイナンス


私は、大前研一氏が監修するビジネスブレイクスルー社の「経営管理者育成プログラム」を受講しています。

その中のファイナンス講座で推薦参考書にされていたので買った本です。原著は米国MBAのコースでも教科書としてスタンダードになっているほどの名著とのことです。

買ったときはフォトリーディングよろしく、ポイントだけ読もうと思っていたのですが、結局時間を掛けて熟読してしまいました。

現在価値(NPV)、DCF、プット/コール・オプション、デリバティブ、プロジェクトファイナンスといった知ってるつもりの知識について再認識させられたり、オペレーティングリースとキャピタルリースの違い、そしてキャピタルリースをすることと自ら借り入れをして機械を買うこととの違いなどに気づかされたり・・・。

とにかく、ファイナンスというキーワードに関連する企業活動をあますところなく網羅している点がすごいと思います。

基本的な用語から分かりやすく説明されています。加えて下巻の巻末には用語集までついていて、この部分を通し読みするだけでも、ファイナンスについての会話がわかるようになります。

必要に応じて何度も読み直すたびに、新しい知識を授けてくれるような、そんな奥深い本です。

記事検索
月別アーカイブ
プロフィール

はっしー (Takuji H...