目の前にいる他者からの期待(ニーズ)に応える仕事は、短期的な成果・やりがい・熱狂を得やすいものです。一方で、そればかりではすぐに燃え尽きてしまいます。
そこに自分自身の願望(ウォント)も練り込んでアレンジし、成果がすぐに出なくても、5年10年単位の長い時間をかけて取り組み続けることが重要なのではないか。最近は、そうしたニーズ軸×ウォント軸×時間軸で、自分が関わる仕事を捉えるようになりました。

今年は、5年前に立ち上げたメディア「サインのリ・デザイン」がその役割を終え、看板を下ろしました。始めた当時は電子署名のニーズも少なく、リーガル領域にテクノロジーを持ち込むことにもアレルギー反応を示されていた時代。今やデジタル庁や政府臨調がこのテーマを掲げ、国主導で契約業務全体を変革する具体的工程が進められています。
私はいま、その次のテーマとして、押印や手書き署名が使われていない意思表示や合意の領域、例えば「ウェブ上で[規約に同意する]ボタンを押す」ことのリ・デザインに、私が以前所属した会社の皆さんと一緒に取り組んでいます。現時点ではウォント軸先行で手探り状態の事業ですが、おそらく2年後ぐらいにはニーズ軸にも確信を得て、「これだ」と言える方向性が見出せているのではないかと思います。
昨春から副業でお手伝いをしているDPF取引透明化法関連の仕事にも、2年経ち変化がありました。デジタルプラットフォーマー、特にアプリプラットフォームの市場独占をリバランスする動きが、日本だけでなく世界中で具体化しはじめています。遡ること10年前、前職(アプリ提供会社)在籍時からのウォントの一つが、ようやく現実のものとなりつつあります。
これに関連して、『新アプリ法務ハンドブック』プロジェクトを完遂することもできました。春にお話をいただいた当初は、前著リリース以降7年間に起こった法改正等の反映だけでなく、出版社の変更・書籍タイトルの権利処理などの調整ごとに時間がかかり、2023年春に出せれば御の字かと思っていました。共著者及び関係者の皆様のご理解とご協力のおかげで、結果的にベストなタイミングで出版ができました。

健康については、引き続き不可逆的問題を抱えながらも、師の導きでいくつかの対処法と出会い、小康状態を維持することができました。家族に関しても、落ち着かない情勢のなかで仲良く健やかに過ごすことができており、何よりありがたいことです。
来年は、15年ぶりぐらいに、新しい楽器にチャレンジします。昨年から継続してマインドシェアの20%ぐらいを占めている、モノに関わる仕事へのトライも続けていきます。「住む場所を変える」(by大前研一)もそろそろ、特に発信をする場所を強制的に変えることで、これまで出会えていなかった方々からフィードバックをいただくサイクルができればと考えています。
ご迷惑をおかけしてしまうことも多々あるとは思いますが、「色々あったけど、長い目で振り返れば、あいつと関わって助かった/楽しかった/よかった」と思っていただけるよう、引き続き精進します。
2023年もよろしくお願いいたします。









