最新の知的財産法の潮流をコンパクトに1冊で、かつ正確におさえたいというわがままな要望にズバリ応えてくれるのがこちら。
毎年年末に刊行される、その年の知財の出来事・話題を漏れなくまとめた、文字通りの「知財業界のアニュアルレポート」が本書。編者は高林龍先生・三村量一先生・上野達弘先生と、三役そろい踏みです。巻頭の特集で最新の知財時事に関する論稿と改正法解説を、さらに2016年の判例、学説、政策・産業界、諸外国の動向を、それぞれ章を分けて輪切りで整理してくれています。
今号の巻頭特集でも、「AIネットワーク化」「職務発明」「欧州デザイン保護法制と日本法の展望」と、旬な時事ネタを取り上げます。特に最後のデザイン保護法制については、個人的にこれから研究をしようと思っているテーマだけに、大変参考になりました。パテントアプローチとコピーライトアプローチのどちらでもない、デザインが持つマーケティング機能に注目したデザインアプローチという保護のあり方が近い将来求められるようになり、立法に向けた動きにつながっていくのではないかと予想します。
ところで、私は本書を2014年から購入していますが、実は、今号を読むまでこの本の一部を構成するすばらしいコンテンツの存在を見過ごしていました。それは何かというと、「学説の動向」と題する、直近1年間に発表された書籍や論文を、各法分野とテーマごとにまとめたパートの存在です。たとえば著作権法を例に挙げれば、
このように細分化されたテーマごとに、発表された書籍or論文のタイトル・著者・要約を網羅してくださっているのです。
これを見れば、発表されている論稿の量の偏りから各法の中で注目すべきテーマがおのずと見えてきます。2016年の著作権業界のトピックであった応用美術関連を例にとると、21もの文献がピックアップされていました。また、それだけでなく、あるテーマについて深堀りたいときなどに、最新論稿を誰がどこに寄稿・出版しているかをすぐに知ることができるわけで、大変便利です。毎号毎号巻頭の特集に目を奪われてばかりで、こんなすばらしく便利なまとめを毎年作ってくださっていたことに、まったく気付かずにおりました。
さて、そんな貴重な本書ですが、やはり刊行にあたって相当の苦労があるようです。以下は編集者代表の高林先生の巻頭言より。
知財を業とされるみなさまにおかれましては、本書を購入することで編者のみなさまにねぎらいと支援を送られてみてはいかがでしょうか。
毎年年末に刊行される、その年の知財の出来事・話題を漏れなくまとめた、文字通りの「知財業界のアニュアルレポート」が本書。編者は高林龍先生・三村量一先生・上野達弘先生と、三役そろい踏みです。巻頭の特集で最新の知財時事に関する論稿と改正法解説を、さらに2016年の判例、学説、政策・産業界、諸外国の動向を、それぞれ章を分けて輪切りで整理してくれています。
今号の巻頭特集でも、「AIネットワーク化」「職務発明」「欧州デザイン保護法制と日本法の展望」と、旬な時事ネタを取り上げます。特に最後のデザイン保護法制については、個人的にこれから研究をしようと思っているテーマだけに、大変参考になりました。パテントアプローチとコピーライトアプローチのどちらでもない、デザインが持つマーケティング機能に注目したデザインアプローチという保護のあり方が近い将来求められるようになり、立法に向けた動きにつながっていくのではないかと予想します。
ところで、私は本書を2014年から購入していますが、実は、今号を読むまでこの本の一部を構成するすばらしいコンテンツの存在を見過ごしていました。それは何かというと、「学説の動向」と題する、直近1年間に発表された書籍や論文を、各法分野とテーマごとにまとめたパートの存在です。たとえば著作権法を例に挙げれば、
1 総論
(1)制度全体/外国法
(2)著作権法政策の動向
(3)概説書等の一般的文献
(4)著作権の教育・普及に関する動向
(5)学会動向
2 権利の客体
(1)舞踊又は無言劇の著作物
(2)美術の著作物(応用美術含む)
(3)キャラクターの保護
(4)地図等その他の図形の著作物
(5)プログラムの著作物
(6)編集著作物
3 権利の主体
4 権利の内容
(1)著作者人格権
(2)著作権
(3)著作隣接権
5 著作権の制限
(1)総論
(2)各論
6 著作物の利用と契約
(1)著作権のライセンス
(2)デジタルコンテンツの保護・流通
(3)著作権の管理/担保等
7 権利侵害と法的措置
(1)依拠性・類似性
(2)損害賠償
(3)差止請求権の相手方
(4)刑事罰
(5)その他
8 その他
(1)パブリシティ権/肖像権
(2)消費者法・競争法との関係
(3)国際私法との関係
(4)保護の交錯
このように細分化されたテーマごとに、発表された書籍or論文のタイトル・著者・要約を網羅してくださっているのです。
これを見れば、発表されている論稿の量の偏りから各法の中で注目すべきテーマがおのずと見えてきます。2016年の著作権業界のトピックであった応用美術関連を例にとると、21もの文献がピックアップされていました。また、それだけでなく、あるテーマについて深堀りたいときなどに、最新論稿を誰がどこに寄稿・出版しているかをすぐに知ることができるわけで、大変便利です。毎号毎号巻頭の特集に目を奪われてばかりで、こんなすばらしく便利なまとめを毎年作ってくださっていたことに、まったく気付かずにおりました。
さて、そんな貴重な本書ですが、やはり刊行にあたって相当の苦労があるようです。以下は編集者代表の高林先生の巻頭言より。
インターネット情報が氾濫し、スマホで手軽に情報を参照することもできる現代において、紙版の年報紙は苦戦を続けて来ており、私達編集者としても、本誌をより魅力的なものにして、何とか継続刊行できるように、あれこれと頭を悩ませている。
これだけ盛り沢山の論文・報告集であるだけに、これを10年以上継続して刊行していく苦労は並大抵のものではないというのが正直なところである。
知財を業とされるみなさまにおかれましては、本書を購入することで編者のみなさまにねぎらいと支援を送られてみてはいかがでしょうか。












