労働法的な視点で、とても気になるニュース。

「ポケモンGO」禁止−住友理工が全世界の拠点で、休憩中や出退勤時間も該当(日刊工業新聞)
住友理工はスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」が世界各地で社会現象となる中、スマホゲーム全般を就業中のほか、休憩中や出退勤時間も含めて全世界の拠点で禁止することを決めた。歩きながらスマホを使う「歩きスマホ」による事故防止が狙い。

厳しい人格教育を売りにしたような私立高校の校則に書くならいざしらず、厳しい選考を経て十分な判断能力の備わった大人が集まっているはずの組織において、「歩きスマホの危険性」という理由だけをもって「休憩中や出退勤時間も含めて」スマホ"ゲーム”を排除しようというのは、いかがなものかと思います。そもそも、アプリにおいてどこまでがゲームなのかという定義も境界があいまいです。たとえば、ゲーミフィケーションな英単語アプリで勉強しながら通勤されている方を見かけることはしばしばあります。また、チャット・メール・電子書籍・動画閲覧はOKという解釈なのだとしたら、企業として目指している目的も達成できない無意味な規則なのでは?と疑問です。


似たような、就業時間外の趣味嗜好を制約する就業規則の不当性が問題となるケースとして、たばこを吸う従業員の生産性の低さや不衛生さを問題視した企業が喫煙者を採用選考時から排除するというものがあります。弊ブログでも、喫煙権に対する不当な制約・嫌煙権の過剰保護であり違法であるという立場から記事にしたことがありました。今でも問題なのではないかと思っていますが、日本ではかなり有名なホテル経営者がこれを推し進めていることについて、法律的な争いになっている様子はありませんし、喫煙者自体が19.3%とかなり少数派となっている背景もあってか、反対意見もあまり聞かれません。しかし、ホテルにおける従業員の衛生維持に対する懸念といった具体的な悪影響が検討できない本件のようなケースについては、端的に言って就業規則としては不当と考えます。
 
きっと近いうちに違反者が現れることになると思いますが、その時企業として従業員にどこまでの制裁を加えるのか、興味津々です。