巷にあふれる「外資系仕事術」本に見られる浮ついた感じは、この本においてはタイトルだけ。"チーム(複数人)でエクセルを囲む仕事"をするにあたって知っておくべき最小限のエクセルのマナーに絞って、徹底的に解説してくれる本です。





企業法務パーソンである前にビジネスパーソンとしてWordが使えない人は論外ですが(とかいいながら未だに修正履歴機能を知らずに手作業で赤い取消線を引いてくる相手方も後を絶たないという現実もありますが)、Excelについても同様。しかも、Excelの方が多機能なだけに、うまく使える人とそうでない人の差が開きやすいアプリケーションでもあります。

この本は、Excelの中でも、関数やマクロといった使える場面が限定・特殊領域化されている小技はあえて紹介せず、その代わりに、どんなシートを作る場合であっても問題となる
・基本的なフォーマット(表組み)の組み方
・見出し・項目の建て方
・フォント・文字装飾の選び方
・セルサイズのバランスの取り方
・検算(入力ミスチェック)のしかた
・そしてそれらに必要となるショートカットキー
の紹介に注力しているところが特徴です。私もちょうどこの週末、4月以降の予算を見積もるためにExcel仕事をしなければならないタイミングだったのですが、早速2年前から付けている予実管理のシートをこの本の教えの通りに作りなおしたところ、こんな感じにすっきりと見やすい表になりました(データはダミーです)。

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本書で特に筆者が強調していたのは以下。

1)投資銀行に共通するExcelフォーマットルール&マナー
行の高さは18ポイントで固定/枠線は背景を白に塗りつぶして消す/項目名はMSPゴシック・数字はArialで/手入力の数字のみ青字に/主要項目は(太字にするのではなく)行ごと背景色をコーポレートカラーで塗る、というのが投資銀行業界では基本だそうです。

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2)見出し・項目の建て方とグループ化機能の積極利用
見出しと項目は1ポイントのセルで段をずらすことで、見やすくなるだけでなく、見出しセル間をctrl+矢印キー操作だけで移動できラクになる。さらにグループ化でセルを折りたためるようにすれば、大きな表も使いやすく。

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3)トレース機能の活用によるチェックの徹底
F2で式の中身をチェックすることは知っていても、参照関係の矢印表示ができる「トレース」機能があることは、知らない人が多い。

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4)ctrlではなく、Altを使ったショートカットも
コピー&ペーストのようなctrlキーを使ったショートカットを覚えただけではダメ。Altキーを使ったリボンUIのショートカットも覚えて、マウスを使わずに文字背景色の設定・グループ化・トレース機能を高速で実行。

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筆者は、誰かが関数・マクロを使いこなした「エクセルの魔術師」になっても、チームみんながそれを理解できなければ、組織として資産化できないエクセルシートが大量に生まれるだけ、と強調します。だからこそ、誰もが使えてわかりやすいテクニック・機能・マナーをメンバー全員が知り、「誰が見てもわかりやすいシート」を作ることによって、チームで数字をレビューできるようになることが重要であると。納得です。

仕事術の本の中では、久しぶりのオススメ本ですね。