日本を皮切りに、アメリカ、EU、中国、香港、台湾、韓国、シンガポール、ベトナム、タイ、オーストラリア、ロシア、インド、ブラジルと、14の国と地域の商標出願・審査制度+国際登録出願(WIPO)制度についてコンパクトに整理した書籍の改訂版。このブログでは初版も紹介させていただいていましたが、こういったリファレンス本がきちんと改訂していただけるのは本当にありがたい。


s-IMG_3449




初版刊行(2010年)以降の各国法改正や出願登録料改定を反映したただけでなく、本文の情報もところどころ実務を意識した細かな情報の追加が入ってました。アメリカを例に挙げると、異議申立ての期限について延長請求含めて公報の日から180日が最長となるとか、登録の際に必要になる使用証拠の例(商品:商標が付された商品のパッケージ・タグ・ラベル/役務:商標が付された広告や会社案内等)が追記されるなど。

今後の法改正の見込みについてもいくつか言及されています。はしがきによれば、そもそも今回この本が改訂されたきっかけも、今年5月の中国商標法第三次改正のタイミングに合わせてだそう。その中国もようやく、一出願多区分制度が採用されました。また、私も悩まされた経験があるタイの連合商標制度が、次回の法改正で廃止予定といううれしいマニア情報も♬。


インターネットを使ったサービスで、国ごとにサービスの商標を変更するなどということは現実的ではありませんし考えたくもありませんが、実際、Googleがドイツで"Gmail"の商標をしばらく使えず "googlemail.com" というメールアドレスでサービスしていたなんていう、冗談みたいな実話もあります(2012年にGoogleが買い取って解決した模様)。そんなことにならないようにするためにも、商標の世界はとにかく「先手必勝」。初版の紹介でも必修科目という表現をしていましたが、この本に掲載されている主要国の商標制度について勘所を抑えておくのは、IT法務パーソンのたしなみになりつつあります。タイヘンですけど。