レクシスネクシスのI様よりご恵贈いただきました。ありがとうございます。お手紙には「はっしーさんのお仕事にはあまり関係ないかもしれませんが」と添えられていましたが、そんなことないです!BtoCビジネスですので、日々クレーム対応の仕事もやっております・・・。
株式会社 エス・ピー・ネットワーク
レクシスネクシス・ジャパン
2013-11-29
この本を一言で評すれば、数あるクレーム対応本の中でも、最も「丁寧に」「根気強く」書かれた本だと思います。
クレーム対応において大切にしなければならないこと・守らなければならない原則は、ほんとうはそれほど多くありません。ではなぜ難しい仕事のように感じるのか?なぜ面倒な仕事と捉えられているのか?それは、クレームの切り口・内容・表現方法・要求が、お客様によってあまりに千差万別なために、対応のたびに臨機応変さや応用力が求められるからだと思います。この本の特徴は、その大切にしなければならないこと・守らなければならない原則を見開き2枚でシンプルな「鉄壁の5ケ条」にまとめたうえで、
この鉄壁の5ケ条の具体的運用方法について、具体的なシチュエーションに対する対応の要諦を圧倒的文字量で紹介し、図表にすっきりとまとめて丁寧に解説する本文の厚みとの、コンビネーションにあります。
特に第4条のお客様の「話」を
1.事実
2.不満
3.意見
4.要求
上記4つの要素に分解し、その要素ごとに対処を考える、というところは、混乱しがちなクレーム対応をスッキリと整理してくれるフレームワークだと思います。
たとえば、クレーマーの常套句に、「誠意を見せろ!」というものがあります。著者エス・ピー・ネットワークさんのセミナーでクレーム担当者にアンケートをとると、これを「4.要求」と捉えてしまいがちなのだそうです。しかし、これを要求と捉えてしまうと、(相手が要求の内容を明示していない謎かけ問答になっているだけに)余計対応が混乱すると。そうではなく、当社としての意思・姿勢を表明する場面であると解説します。とてもスッキリしますね。
話は逸れますが、クレーム対応で「誠意を見せろ!」が出てくるたびに、北の国からのこのシーン、「誠意って、何かね?」を思い出すのは、私だけではないはずです。

また、その長さゆえブログでは魅力を伝えきれないのが残念ですが、第1部第2章の「代表的な不当要求への対応例」や、第2部事例編の「クレーム対応・実践ケーススタディ」などは、クレームがヘビークレームに発展していく様子が本当にリアルに描写されていて、ここは読んでいてゾクゾクしました。
鉄壁の5ケ条を起点にして、文字による丁寧な解説→図表によるまとめ→事例を通した運用実例で具体的運用イメージを植え付け、そしてまた鉄壁の5ケ条に立ち戻って整理するという解説サイクルが、一つの本の中で何度も徹底的に繰り返されていて、読み通すことによっていやがおうにも鉄壁の5ケ条が身体に染み付くように編集されようとした意図を感じました。ともすればベテラン弁護士が、「法的にはこれはだめ」というNG例のみをことさら強調した後、結局「俺に任せておけば大丈夫」的なノリだけで書いている鼻持ちならない本ばかりが多数出版されている中で、クレーム対応チームにシンプルで揺るぎない対応理論を打ち立ててくれる、良い教育書だと思います。












