ブログを続けている多くの方は、たとえそれが自己満足的なことであれ、何かいいことがあるからこそ書き続けていらっしゃるのだと思います。私にとってそれは何かというと、気が緩みがちな自分にムチを打ってくれるという点にあります。
「10年後の自分」を考える技術 (星海社新書) [新書]著者:西村 行功
出版:講談社
(2012-06-26)
アメリカの心理学者クレア・グレイヴスは、個人の成長には3つの要素が重要であると言っている。
それは、危機感、行動力、洞察力の3つである。
まず、このままではダメだという危機感がないと、現状に甘んじてしまって成長できない。そして、危機感があっても一歩を踏み出す行動力がなければ、不満を言うだけで終わってしまう。最後に、洞察力がないと、行動を起こしてもそれが実を結ばない。
この3つのなかでいちばん重要なのは、何よりも最初の「危機感」だ。
この点、法務3年目で始めたこのブログは、「企業法務マンの職を選んだ私は、どうすればサバイバルできるのだろうか?」という危機感を日々認識し、それに打ち勝つための行動プランと実績を書き、世の中のフィードバックを得て修正するというサイクルを作ってくれました。お陰様でこの10年はなんとかサバイバルできたように思うものの、最近の自分のブログ記事を見直すと、この危機感と向き合う姿勢が欠けていることに気付かされます。この本を読んで、あらためて将来の見立てを自分なりに洞察し、危機感を持って行動を考えなければと思いました。

私が今ビジネスパーソンとしてうっすらとですが想定している“脅威”のシナリオは、主に以下3点です。
・ホワイトカラー業務の機械化
最近よく目にする話題ですが、ホワイトカラーのデスクワーク的な仕事は、基本的にコンピュータに置き換えられ自動化されていくというシナリオはそうだろうと私も思います。法務で言えば、契約書のレビュー・作成、知財の出願関連業務、取締役会・株主総会にまつわるペーパーワーク、取引先の与信審査、内部統制・社内ルール整備。この辺りはこの10年で人間のやることではなくなるということを、脅威として想定しておきたいと思います。
・マネーに関する越境規制の緩和
マネー自体はすでに為替制度等によりグローバル化されているものですが、これがさらに進み、税・金融・決済手段などに関する規制がなくなったりプラットフォーム化したりと、国と国をまたがる取引におけるマネーの移動に関する障害が急速に取り払われていくと想定します。TPPなどにもすでにその端緒は表れているとも言えますが。
・法制度の国際標準化
最後が法制度の国際標準化です。知財関連法からハーモナイズは既に進んでおり、今はEU・米・日のプライバシー保護法制の世界的なネジレが課題視されているところですが、これに限らず法制度は端的に言えば統一の方向に向かっていくと想定します。まず条約が主要国同士で話し合われて定められ、国内法は単に条約を実装するためのものと位置づけられる。今も一部の法律でそうやって作られたものはありますが、この順序が当たり前になる世界を想定します。そんなことになったら、今やっている100年越しの民法改正も単なる徒労ということになりますね(笑)。
以上を一言でまとめれば、世の中の面倒なことやネジレはどんどん取り払われて、そういった面倒さやネジレの中で利食いをしているだけの仕事・職種は滅んでいくんじゃないかと。私は預言者ではないのでこれらの想定シナリオが当たるかどうかに責任は持てませんが、私自身は、10年後にこうなるとしたらどうすべきかを想定して、サバイバルするための戦略を練り、選択と行動をするつもりです。その上で大切にしたい、けど難しいのは、この本にも出てくるとおり、
「戦略とは、やらないことを決めること」
だということ。
今までの私のビジネスパーソン、企業法務マンとしてのサバイバル術が、「全方位的にあれもこれもできる能力・状態を維持し、将来の選択の幅を広げておく」というものであったことは、このブログを振り返っても否定できないところで、それは私の主義でもありました。選択肢を広げるために得意分野を複数持つことは必要ですが、どれも身にならない器用貧乏になることは避けなければなりません。想定シナリオを頭におきながら、自らの専門にすべき分野の見直しと絞り込みをかけていきたいと思います。









