本日夜、雨宮先生が講演される「シード・アーリースタートアップのためのウェブサービスを支える「利用規約」の基本」の後半の部に登壇させていただきます。目的は端的に言って先日出版した『利用規約の作り方』本のプロモーションでございますがw、弊ブログの読者の方もご参加いただけるようで、お会いできるのが楽しみです・・・とご参加者の名簿を拝見した所、どうやら弁護士の先生方や名だたる企業の法務部門の方が30%近く混ざっていらっしゃいまして、いったい何の話を誰向けにすればいいのやらと、頭を抱えているところでもあります(笑)。一方で、せっかくそういったプロも集まる場になるのであれば、いろんな意見交換がその場でできたらな、と思っております。よろしくお願いいたします。
さて、その『利用規約の作り方』を出版してからいただいた反響で一番ありがたかったのが、
インターネットサービスの法規制や利用規約についてまとまった本がなかったので助かった!というお声。そしてその一方で、
2,000円かあ、ちょっと高いですね・・・。とのご意見もありました。う〜ん、この内容でこの値段はかなり頑張ってる方だと思うんですが(汗)、高い法律書を買い慣れてしまっている法務パーソンと違って、読者層の方はやっぱり「本はせいぜい1,000円台で」という感覚を強くおもちのようです。
そこで、もっとお手頃価格で、かつ法律初心者でも読みやすい本は無いだろうかと探してみたところ、こんな本を見つけました。
インターネット消費者相談Q&A [単行本]出版:民事法研究会
(2011-02)
第二東京弁護士会の先生方がお書きになられた、120ページ程度の小冊子に近い体裁の本。しかも法律書にもかかわらず、1,000円を切る格安な価格帯。この薄さだと本屋でも薄すぎて見つけにくいですし、法律家や法務の人は薄い=内容も薄いと判断して手に取らない方も多いのであまり知られてないかもしれませんが、今回買ってみて驚きました。「利用規約の作り方」でもご紹介している多くのインターネット関連法規制の問題、たとえば、
・ネット通販の返品義務と特商法
・海外の事業者との裁判管轄と民訴法
・ネット掲示板投稿の管理責任とプロ責法
・個人情報流出と個人情報保護法・プライバシー権
・アフィリエイターの推薦責任
・規約上のユーザー違約金と消費者契約法
・携帯のオンラインゲームでの高額請求(未成年課金)
・広告における景表法上の不当表示
などが網羅的に記載されていて、しかも分かりやすい。個人情報保護、特定商取引法、出会い系サイト規制などの法律的に詳細な解説が必要なところは、ところどころ(Q&Aではなく)以下の様なコラム形式で事例・判例・条文紹介も盛りこんであります。
さらに、法律的な理想論や正論をふりかざすだけでなく、現実的な記述がところどころに見られるのも特徴的です。最近も消費者庁が取り上げていた“サクラサイト”の問題に関するQ&Aの解説でも、法律論と現実をこんな風にわけて解説していました。
「さくら」を使ったサービスは、サイト運営者が仕組んだ詐欺といえ、利用者は登録契約を取り消し、20万円の支払い義務を免れることができます(民法96条)。といった具合。その点も含めて、価格以上の読み応えがある本になってます。
(中略)
ただし、メールのやりとりの相手方が、サイト運営者が雇った「さくら」である点を証明することは極めて困難である点に注意してください。
注意点を言えば、弁護士会が消費者にアドバイスする目線で文章が書かれているので、事業者サイド目線で法制度やリスクを知りたい方は読み替えが必要だということ。そういうサービス運営者側目線に振り切っている本は、『利用規約の作り方』を置いてまだ他にはないですし、本日ご紹介のこの本もさすがに利用規約のひな形までは載ってませんので、結局この話のオチはやっぱり『利用規約の作り方』を買ってねってことなんですけどね!










