LexisNexisメディア・コンテンツ部のI様よりご献本いただきました。ありがとうございます。


スキルアップのための 企業法務のセオリー (ビジネスセオリー 1)スキルアップのための 企業法務のセオリー (ビジネスセオリー 1)
著者:瀧川 英雄
販売元:レクシスネクシス・ジャパン
(2013-01-29)
販売元:Amazon.co.jp


この本の企画・編集がはじまった頃、ちょうど私がBLJの編集部で働いていたという御縁で、著者である瀧川さんのご経験をどのようにして引き出すとよいだろうか?という企画ブレストみたいなものにお付き合いをさせていただいた次第。「アイデアの一部をこの本で活用させていただきました」と、律儀にもお手紙を添えてくださったのでした。

そんな私のアイデアなどどうでもよくなるぐらい、素晴らしい本ですね。文字化することが難しいと思われがちな「法務の業務のすすめ方・取り組み方」についてのフレームワーク・チェックリストの類が、惜しみなく整理・披露されています。図表も盛りだくさん(図表一覧が目次になっており、その数なんと50以上)で、読者を飽きさせない本にするという点にも必要以上に気が配られている印象があります。

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そして、その記述の中で私が特に共感した部分がこの2箇所。とっても基本的なことではありますが。

ヒアリングで聞き出すべき内容は、「取引内容」と「依頼内容」の2つに分けることができる。

取引の中身ばかりを聞いて依頼者の欲しい答え(期待や不安)や回答期限などをきっちり聞いて帰ってこれない例、またはその逆に取引の中身を把握してこれない例など、正確なヒアリングはすべての業務のスタートとして重要でありながら実は法務パーソン各人のクセもでやすいところで、この双方のバランスが重要だと特に感じていたところです。

主語と述語の位置をできるだけ近づける。述語が何を受けるのかがわかりにくい場合には、読点を打つなどの工夫が必要である。

英語の世界では有り得ない話ですが、他人が作った日本語の文章を見ていると、主語が存在すらしない例が目につきます。契約書を作るときなどは、すべての条文について「発注者は、―」「受注者は、―」と、わざとすべて主語から書き始めるぐらいの意識的な訓練が、特にジュニアクラスな人にとっては必要なのかもしれません。ちなみに、主語と述語の距離については、位置や読点等でそれが主語であることが明確になっていればいいんじゃないか派なのが私です。


私も所属組織での指導員として、時折自分が過去ブログに書いた法務Tips記事のURLをメールで飛ばしたりしながら「そんな時オレはこういう風に気をつけてるけど」みたいなこともやっていたんですが、この本が出てしまった以上、そんな私の記事は金輪際もう不要になってしまったというべきでしょう(笑)。こういった法務の小技はこれまでも法務パーソン向け雑誌の読み切り記事などでもよく見かけますが、これだけまとまったものが出てしまうと、今後は「この本の二番煎じ」感が否めなくなるかもしれませんね。

ブロガーとしては、そういったTips系の記事がこの本によって一気に陳腐化されてしまったのはちょっと残念ではありますが、より高度に・網羅的に・体系化された「法務業務標準マニュアル」ができたということは、この職務に携わる者として、そして後進を育てていく責務を負う世代として、感謝・歓迎すべきことだと思っています。