最近は知人のツテを辿って仕事を助けていただくことが増えていて、先日も、アジア数カ国のグローバル商標同時出願に関して、知人が取締役を務める商標サービスの会社さまにご相談をさせていただき、助けていただきました。その仕事を通じて、外国で会社を新たに登記するにせよ、商品・サービスを販売するにせよ、まずは商標を抑えておかなければ安心して海外進出ができないという当たり前の現実に久しぶりに直面。会社法や登記手続きもさることながら、商標の出願手続を抑えておくことは、もはや国際ビジネス法務の必修科目だなぁと再認識させられることに。

しかし、その必修科目を学ぶ気はあっても、(日本の商標法の入門書でさえそれほど種類は多くない中)外国の商標法の本なんてそうそうお目にかかれるものでなく、さらにアジアの商標法までカバーするとなると、もう英語で読めれば万々歳ぐらいの世界・・・と思っていたのですが、なんとこれがあったんですね!


見ればわかる!外国商標出願入門見ればわかる!外国商標出願入門
著者:野田 薫央
販売元:発明協会
(2010-08-30)
販売元:Amazon.co.jp



まさに、これは私が求めていた情報そのもの。いやきっとみなさんも求めていたのでは。

・アメリカ
・EU
・中国
・香港
・台湾
・韓国
・シンガポール
・ベトナム
・タイ
・オーストラリア
・ロシア
・インド
・ブラジル

以上に加えて、比較のベースとなる日本を含めた14の国と地域、プラスWIPO出願との手続法上の差異を、統一されたフォーマットで、シンプルに、淡々と比較している本。

s-trademarksingapore


ただしそれは内容が薄いとか味気ないとかいう意味ではなく、

内容を基本的な出願手続に絞り込むことで、多くの国等(14+マドリッド協定議定書)の制度を可能な限り分かりやすく説明しています。
「外国で商標を出願する」場合に役立つ情報を中心に掲載しています。そのため、権利化後の説明(権利行使や移転等)は、基本的に掲載していません。
資料としての使い勝手を優先して、記載形式は長文ではなく箇条書きにしました。

と、極めて明確な意志を持って絞り込まれ、編集された成果としての厳選情報であることがポイント。

実際、法務が商標のグローバル戦略を練る際に必要な情報は、まずはマドプロ出願が可能な国なのか、不可能であればどのような時間・費用・手間がかかるのか、そして日本の商標審査と違う点は概略どんなところか、程度のものであって、すべてを知る必要はないはず(というか調べてたら時間がいくらあっても足りません)。当該国の専門家に依頼するにあたり、いちいち基本的な手続に関する知識を尋ねなくても済むようにし、出願を機動的に行えるようになるという目的において、必要十分な情報を備えている本だと思います。

2010年8月初版の本ですが、アジア各国の知財関連法の整備が進む中、貴重な存在であるこの本が何年かに一度アップデートしてくれることを切に願います。