津田大介(@tsuda)さんが、このSNS時代における情報のインプット/アウトプットのバランスの重要性を指南する本。
情報の呼吸法 (アイデアインク)著者:津田 大介
販売元:朝日出版社
(2012-01-10)
販売元:Amazon.co.jp
何はともあれデザインがカッコカワイイ。表紙・小口・天だけでなく本文の地までもが水色=twitterブルーというのは恐れ入りました!コストもかかるんでしょうねこういうの。


さて、ネットで情報を受発信する際に私が気をつけているポイントとして、以下3つがあります。
1)生産性
やっただけの効果を生んでいるか、馴れ合いに終始して時間の浪費になっていないか
2)社会性
所属する団体や他人といった社会から責められるようなことをしていないか
3)安全性
自分(や家族)の安全を脅かしていないか
この本では、この3つのうち主に1)の生産性について、
・情報はセグメント化して取り入れる…twitterのList活用
・人に注目して信憑性を図る…プロフィール欄のチェック
・継続してできることを自分の「タグ」にする…辛抱強い自己ブランディング
・情報をスルーする…3頁分以上・5時間以上前のツイートは追わない
・価値ある情報にきちんと対価を支払う…ネットの有料情報を毛嫌いしない
このような津田氏が自らのネット体験から得た知見が、自伝的にいくつも紹介されていきます。
これらは、おそらくtwitterを初めて1年以上経っているような方からすれば、「もう聞きあきたよ」「目新しさがない」と思われるような内容でしょう。しかし、怪しいソーシャルコンサルタント(笑)の机上の空論ではなく、日本においてtwitterをメシの種とすることに最も成功している@tsudaさんが実践している水準が文字になったことで、ある意味「@tsuda氏がこれだけやってあの生産性なんだから、自分はこれぐらいがせいぜいかな」という限界点・基準を測ることができる点に価値があると思います。
そのポイントとは別に、この本でご紹介しておきたいと思ったのがこのアイデア。
ビジネスの場合もそうですが、現在起きているツイッターのほとんどの「炎上事件」は、オープンな空間をクローズドなものと勘違いした結果だと思います。しかしソーシャルメディアはもともと「公私混同メディア」というか、プライベートな領域をものすごく曖昧にするツールなので、炎上の可能性を本質的に孕んでいるのです。
ネット上の発信を実名で行うか、匿名で行うか、という問題もこれに関係します。
僕が推奨しているのは、「ゆるやかな実名制」です。名前は漢字ではなく、ローマ字表記で書く。会社名は出さず、「広告業界で働いています」「メーカーで営業職やってます」と業界を明かすぐらいで留める。
印象として、実名公開によるデメリットのほうが多いと思う人はあまりソーシャルメディアに向いていないと思います。
ダラダラ意味もなく滞在するSNS依存症にならないよう留意し、反社会的な言動を慎み、セキュリティもしっかり守る。私はこの生産性・社会性・安全性の3つを常に心掛けるためのお守りとなってくれるのが、実名ならではの緊張感だと思います。匿名やハンドルネームと違い、容易に特定されるというリスクをあえて“宣言”して背負うことで、自分の言動がどう見られるか・その与える影響を常に意識することができ、結果難しい理屈抜きに自然と3つのポイントが意識されて自分を律する習慣が身につくのではないかと。
逆に言えば、この3つがうまくコントロールできる自制心のある方は、“ゆるやかな実名”を晒す必要すらなく、ハンドルネームでも良いはずです。「ネットでは実名じゃないと信用されない」という批判もありますが、自分を律することのできる方は、最初から 実名で“宣言”している人より多少評判を得るのに時間はかかっても、長い時間で培われる信用によって評価されるはずだからです。私の知人にもそういう方はいますし、有名どころで言えばちきりんさんだってそう。上記引用部の最後で津田さんがおっしゃっている「あまりソーシャルメディアに向いていない」人とは、この3つが守れないで炎上ばかり起こす人、という意味だと思います。
自分を厳しく律する自信もないが、かといって実名はなんか勇気がいる・・・そうやっていつまでも逡巡して不本意なハンドルネームに留まっている方には、このローマ字表記の“ゆるやかな実名制”を試してみることをお勧めします。私もここ3年ほど実践してますが、間違いなくいいお守りになりますよ。









