現職についてから疎かになりがちな会社法の勉強をしようと思いたち、リアル書店に本を漁りに。
会社法施行5年 理論と実務の現状と課題 (ジュリスト増刊)販売元:有斐閣
(2011-05-26)
販売元:Amazon.co.jp
Jurist増刊にしてはかなりビビッドな表紙。いつもならJuristってだけでスルーなのですが(笑)、思わずこの派手さに惹かれて手にとって数ページめくって「これは当たりだ」とすぐに購入。
要は、この5年間で発生した会社法の時事ネタのうち、特に重要なものが論点ごとにまとめられている本なわけです。教科書を最初から最後まで通読する学習では絶対挫折する会社法も、このアプローチだとリアリティがぐっと増すからでしょうか、途端に面白い法律に見えるから不思議です。

取り上げられている事件・論点は例えばこんな感じ。
- 「委任状勧誘」において、株主提案に賛成する委任状を会社提案にかかる議案の出席議決権数に含めるか否かが争われたモリテックス事件
- 子会社の株式買い取り価格が高すぎたとして、経営判断の原則に基づく「取締役の経営責任」が問われたアパマンショップ事件
- 「監査役の監査権限行使」がどこまで及ぶかが話題となった春日電機事件・トライアイズ事件・荏原製作所事件
- 会社法の社外取締役・社外監査役には求められていなかった独立性を証券取引所の上場規則によって義務付けた「独立役員制度」の導入
- 株式併合および特に有利な条件による新株予約権第三者割当てによって、発行済み株式数を30倍に希釈化する決議をし、その強引とも見える資金調達法が耳目を集めたモック社の事案(ちなみにモック社はその2年後破産)
- 株主の株式買取請求における「公正な価格」の妥当性について争われた協和発酵キリン事件・テクモ事件・インテリジェンス事件
- 「敵対的買収防衛策」としてのポイズン・ピルの合法性が争われたブルドックソース事件
それぞれの事件については、私も山口先生のブログ『ビジネス法務の部屋』などを頼りに発生の都度押さえてはいるつもりですが、事件から会社法への当てはめを部分部分でやられても、普段から会社法とニラメッこしている商事法務担当や株式担当の方でもないと頭がついていかないと思います。そういう方にこそ、会社法の大きなテーマ毎に法と事件をヒモ付け解説してくれているこの本はピッタリ。しかもよく考えると、世の中を騒がせた会社法関連事件を後からまとめて俯瞰できる文献というのもそうそうなく、そういう意味でも価値ある本ではないかと。
重要かつ争いのある論点をこの本で抑えつつ、周辺の基礎知識を私がイチオシの長島大野常松『アドバンス 新会社法
アドバンス 新会社法販売元:商事法務
(2010-09)
販売元:Amazon.co.jp









