最近、英語学習において発音の重要性を見直すべきでは?という主旨の言説をよく目にします。
その主な発信源は、『残念な人の英語勉強法』の著者、山崎将志さんでしょうか。

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間違いだらけの日本の英語学習 「グロービッシュ」は間違い。発音を大切にすべし(JBpress)
山崎 (略)ただそれでも、万が一のために勉強しておかなければいけないというのであれば、やめた方がいいと思うのはボキャブラリーです。忘れてしまいますから。逆にやっておいた方がいいのは、発音です。発音は筋肉ですから、1回やっておけば、自転車に乗るのと同じで忘れません。
菊池 賛成です。僕も山崎さんの本を読んで、発音を大事にしましょうと書かれている点に勇気づけられました。
去年の秋ぐらいから「グロービッシュ」(1500単語で話す英語)という言葉が流行り始めましたよね。雑誌の特集などでも、日本が主に市場として狙うのはアジアやアフリカだから、「L」と「R」の発音など気にしてもしょうがない、日本の英語教育が発音にこだわっているのは大間違いだ、と業界の大ボス的な人が言ったりしていた。
それで実際、「L」と「R」はどうでもいいと思ってしまった人が結構いるのではないかと思います。しかし、それは違います。ビジネスであろうがなかろうが、人と文化を超えてコミュニケーションしようという時には、正しく発音しようと努力することは最低限の礼儀だと思うんです。
山崎 まったく同感です。あるルールに従って自分の言いたいことを相手に説明するのが言葉の役割だとするならば、正しく伝えるためには正しい発音が必要なのは議論の余地がありません。

実は、この1ヶ月弱『単語耳』という本に従って毎朝1時間発音のトレーニングをしていました。


単語耳 英単語八千を一生忘れない「完全な英語耳」 理論編+実践編Lv.1単語耳 英単語八千を一生忘れない「完全な英語耳」 理論編+実践編Lv.1
著者:松澤 喜好
販売元:アスキー
(2007-03-23)
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先の記事で山崎さんは、「正しく『伝える』ため」の発音練習の重要性を強調されていますが、私が発音のトレーニングを実際にやってみてそれ以上に効果を実感しているのが、正しい発音が分かる/できるようになると、リスニング力が格段に上がるということです。まだこのトレーニングを始めて1ヶ月弱ですが、耳の“解像度”がくっきりと上がり、英語のドラマを見ても洋楽を聞いてもまるで音がスペルになって見えてくるような。英語学習で手応えを感じたのは久しぶりのことで、自分でも相当びっくりしています。

そのポイントは、発音のトレーニングを通じて、英語における“子音”と“母音”、そしてそれらの“強弱”と“緩急”を意識・区別できるようになった点にあります。以下、その理屈を『単語耳』から。

日本人は、英語のリスニングが苦手です。とくに、ネイティブ・スピーカーが普通のスピードで話すと、途端にお手上げになってしまう人が多いです。
その第一の理由は、英語のほんとうの発音を知らないからです。
英語の子音・母音は43個ほどありますが、どれも日本語には無い音です。
知らない発音を聞くと、脳はよく知っている「カタカナ」に置き換えて理解しようとします。たとえば、カタカナの「ハット」1語が、hat(帽子)、hut(小屋)、hot(熱い)の発音に割り当てられ、暗記されます。これでは、発音とスペルと意味がすべて1対1で結びついていないので、英単語が
脳からすぐには引っ張り出せません。つまり、カタカナ音で英会話を聴いている限り、ネイティブが話すスピードに頭が追いつかないのです。
リスニングを完璧にするためには、まず英語の子音・母音のすべての「発音」をマスターしている必要があります。
しかしその際、あなたは、「話される単語の子音、母音をすべて聞き取らなければならない」と誤解していませんか?
実際には、子音・母音の2割〜3割はかなり手を抜いて話されています。(略)したがって、全部聞き取ろうとしても、音が消えていたり、いい加減な発音になっているために、聞き取れないのです。
単語や文章は、自分で発音できるようになると、がぜん聞き取れるようになります。All right. やGood morning. の、どの音が発音されなくなるのかを自分で再現できると、完璧に聞き取れるようになります。
日本では概して、「英単語は意味を覚えるのが先、発音は後回し」とされてきましたが、私はまず「発音」から入るべし、と提唱します。
発音の習得がすべての出発点なのです。すると、次の段階の「意味やスペルの習得」「洋書の多読」の効率や効果は、数倍に跳ね上がるでしょう。

もともとこの『単語耳』は、iPhoneアプリのPerfect Wordで鍛えていたボキャブラリーの伸びが頭打ちになり、新しいボキャブラリービルディングのアプローチは何かないかと探していて出会った本だったわけですが、期せずして英語学習における発音の重要性を実感した次第。必ずしもこの本を使う必要はないと思いますが、私のように英語学習で何らかの行き詰まりを感じている方は、この発音トレーニングというアプローチも一考の価値有りと思います。

ただし、下記参考サイトでも言及されているとおり、毎日1時間超にわたり単語を発音し続けるというのはかなりの精神的苦行です。肉体的にも、毎回下唇がジンジンと軽くマヒするほど。しかも、声を出さないと練習にならないので、通勤の電車などの合間でできるようなトレーニングでもなく、朝早起きするなどまとまった時間の確保が必須になりますので覚悟のほどを。社内外を問わず身の回りに増え続けるネイティブスピーカーとの立ち話のスピードについていけず愕然としていた私には、丁度良いムチになってます(笑)。


参考:
英語を聞き分ける脳(『単語耳』著者松澤喜好氏webサイト)
PRONUNCIATION(同)
英語教材レビュー 単語耳シリーズ(目指せ英会話マスター)
『単語耳』と運命の出合い