ビジネス法務1月号の巻頭に、野村晋右先生が「新しく弁護士・法務部員になられる方々へ」と題した文章を寄せられています。
『ビジネス法務 2011年 01月号
弁護士・法務部員は決して主役にはなれないし、なってはいけないということだ。「結果を受けとめる」のは依頼者だから、あくまでも依頼者が主役で、それを助ける、いわばサポーティングアクターであることの自覚である。したがって、一見して矛盾等する依頼者の言動に対して批判的に接するのでなく、そこに本当の悩みを見出すための努力が必要となってくる。
最終的に依頼者の支持を仰ぐことを、企業法務では、しばしば「経営判断」と言われているが、安易に「経営判断」に逃げ込んではいけない。(略)最終的に経営判断に委ねるにしても、事実関係を十分に調査しそれをベースに、法的分析・検討をギリギリまで進めること、そして、できる限り選択肢を狭くしかつ選択の材料を簡潔に判断者に対して提示することが重要である。
現場の営業担当者であれ、経営者であれ、みんな色々な悩みを抱えて相談に来ます。
- その悩みの中身を根気よく確認し(ファクトファインディング)、
- 確実な専門知識をもって法律上できることとできないことのフィルタリングをした上で、
- 「あなたの悩みを解決するための選択肢とその判断のポイントはここにあるんですよ」と論理的にかつ分かりやすく説明し、
- 迷いなく決断させて差し上げる
それが法務の仕事。
経験が豊かな法務パーソンだと、決断の選択肢を絞った上で「過去似たような案件で、こんなふうにしたらうまくいきましたよ」なんて付加的な情報提供をすることで、更に喜ばれたりもします。
しかし、サポーティングアクターには、それ以上でしゃばらない謙虚さも必要。1〜3をすっ飛ばして経験だけで「それは無理」「こうすべきである」とやっている法務パーソンには、いつか指名付きの相談は来なくなります。申請ベースの契約書レビューだけこなし、悩みを相談されない法務パーソンには、存在価値はありません。
折にふれてこの野村先生の言葉を読み直し、自分を戒めていきたいです。









