MARUZEN&ジュンク堂訪問レポートです。

一言でいえば、図書館のように広大かつ整然としたスペースの中で大量の本に囲まれるのが幸せな人向けの書店。一見特徴はないんですが、丸善とジュンク堂が本当の意味で経営統合していく姿勢が見えた点で、大型書店のこれからに少しだけ期待がもてた、といったところでしょうか。
1.蔵書130万冊、新宿ブックファースト超えは伊達ではない
やはり蔵書数は多いなと。新宿ブックファーストが90万冊なのに対し、こちらは都心部最大級の130万冊。法律書もブックファーストよりは揃っている感じです。

例えば、私がずっと気にはなっていたけどAmazonマーケットプレイスで¥17,000という高額なプレミアムが付いていた川井健先生のオンデマンド版のこの本なんかが定価でポンと置いてあったり。思わず買っちゃいましたよ。
『専門家の責任(OD版)
「新宿ブックファーストよりは」と書いたのは、やはり専門書などの特定ジャンルの“深さ”でいくと八重洲ブックセンターの方が上を行ってるかな、と思ったためです。このあたりは、ビジネス街との立地の違いでしょうか。
2.囲まれる幸福感あり、しかしふとした出会いは期待できないかも
新宿ブックファーストより蔵書数は40万冊多いのに、店の坪数は1,100坪と同店より100坪多いだけ。その秘密は、この図書館並みに幾何学的な書架の整然整列っぷりにあります。


スペース効率の最大化を目指してか、足元に平積みする台もありません。こうなると、基本的には背表紙を追いかけて本を見ていくことになります。なんか皆必死に棚とにらめっこしてる感じでした(笑)。
1フロアにずらっと本が並んでいる様はいかにも壮観で、歩いても歩いても本に囲まれている、という幸福感はあります。一方で「運命の本」とたまたま出会える確率は、低いかもしれません。
3.垣間見える経営統合の成果
この本屋の名前とロゴマークを見て、不安を覚えた方もいるのではないでしょうか。

「丸善とジュンク堂って、経営統合したとは言えまだお互いに相容れないものがあるんだろうな」と。私もその一人でした。
実際、新宿ブックファーストに見られるビルの特徴を生かした変則レイアウトや、オシャレな本がセレクトして置いてあってそのまま購入できる喫茶スペースとのコラボなどの目新しい取り組みや、両書店の特徴を生かした取り組みは見当たりません。しかし、店舗運営の細かいところに、両書店の欠点を補いあっているところが垣間見えました。
例えば棚の高さ。私が一番恐れていたのは、蔵書数を争うために丸善OAZO店のように書架の高さが殺人的に高くなるのでは?という点でしたが、ジュンク堂タイプの本棚の高さに抑えられていた点は好感が持てました。一方、ジュンク堂の悪名高い「店舗在庫数の出ない検索機」は、丸善の在庫管理システムを導入したのか、在庫数が表示されるものになっていたのも改善(台数が四台しかなくて並ぶハメになったので、もう少し増やしてほしいですけど)だと思います。その程度かと言われればそれまでですが。
思えば数年前、ブックファースト渋谷店が取り壊され移転縮小したときは相当悲しみに暮れた私。こんな大型書店が渋谷にめでたく出店してくれたのも、DNPの子会社である丸善+TRCがジュンク堂をM&Aするという英断があったから。
欲しい本はAmazonで買えるから事足りるよと思っている人だって、電子書籍があれば紙の書籍は要らないかのような発言をしている人だって、大型書店が都内からすべて消えたら困るはず。書店経営が苦しい中誰かがこの厳しい市場で頑張ってくれなきゃという状況で、経営統合の成果を少しでも出し生き残ろうと努力しているMARUZEN&ジュンク堂のこれからに、私は期待したいと思います。

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