一番カネがかからず、しかも当たり外れの少ない確実な人材採用の手段は何か。それはなんといっても「従業員紹介」でしょう(え、tacが所属する会社の人材サービスじゃないの?というツッコミどうもw)。

自分の会社で活躍する従業員が過去一緒に働いたことがある候補者であれば、身元も能力も社風との相性の良さもお墨付きなわけで、役員と確認程度の面接だけして採用、なんてパターンも多いのでは。

会社は求人広告や人材サービスを使わず低コストかつ安心な採用ができ、
従業員も自分が推薦した気心の知れた仲間と仕事ができ、
候補者自身も無駄な面接やテストの負担なく入社できる。
これ以上みんながハッピーな採用方法はありません。
海外では、そんな風に自分の会社の従業員が紹介する候補者が採用に至った場合に、その紹介した従業員にリファラルボーナスを支払うのが当たり前になっています。

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Jobvite 2010 Social Recruiting Surveyより

ところが、日本でそれをやると職業安定法第40条違反となることは、人事ご担当者でもご存知ない方の多いのではないでしょうか。

職業安定法 第四十条(報酬の供与の禁止)
労働者の募集を行う者は、その被用者で当該労働者の募集に従事するもの又は募集受託者に対し、賃金、給料その他これらに準ずるものを支払う場合又は第三十六条第二項の認可に係る報酬を与える場合を除き、報酬を与えてはならない。

使用者側弁護士として活躍されるロア・ユナイテッド法律事務所の岩出先生の本『実務 労働法講義〈上巻〉』にも、以下のような解説があります。

従業員リクルーターが新人をみつけてきて雇主に紹介して、その新人に採用できたとしても、雇主としては、通常リクルーターに支払っている賃金を支払う以外は(略)、交通費やその新人を勧誘・口説くためにかかった1、2度の接待のための簡単な食事の費用程度については支払えるであろうが、それ以外となると法的には微妙となる。まず、特別手当や特別賞与などは直接上記の「財物」の提供となり、困難であろう。新人を口説くための接待も、高級レストランや高級クラブなどでの酒食や、海外旅行への招待などと度を越したものになると、それ自体がリクルーターらに対して恩恵を与え、上記「利益」を与えたこととされかねない。

しかもこれ、法律上は6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金という立派な罰則まであったりします。実際に適用されている企業を見たことはありませんし、行政側もこれをどこまで取り締まる気があるのかは不明ですが、この法律をご存じないままリファラルボーナスを支払っている企業も、たくさんあることでしょう。

今日本では、従業員によるTwitterを使った口コミマーケティングが盛んになってきています。この次には、LinkedinやFacebookを使った従業員紹介型リクルーティングの動きが出てくるのはほぼ間違いありません。この状況下で、こんな時代おくれの職業安定法がおきままにされるのは、精神衛生上大変よろしくないと思うんですが、如何なものでしょうかねぇ。