ハードカバー+P340ほどあるボリュームで手を出すのを控えていたこの本を、一作日〜昨日にかけての小旅行の行き帰りのこの電車の中で読了。のどかな風景の中を走るローカル線に揺られながらの読書は、出張での飛行機・新幹線での読書とはまた違う、贅沢な時間でした。

タイトル通り、技術の進化と情報流通のグローバル化によって問題となりはじめた日本のプライバシー・個人情報法制に関わる新しい課題を9つ、論文集形式でまとめたもの。
『プライバシー・個人情報保護の新課題
中でも見どころは、新潟大学大学院の鈴木正朝先生による第2章。「日本の個人情報保護法は、プライバシーを保護するための法律でも、自己情報をコントロールする権利を認めた法律でもない」という点を、法第25条1項に定められた「開示等の求め」の法的性質に注目して検討しています。
Twitter上でも時に舌鋒鋭い発言を連発される鈴木先生ですが、それに輪をかけて鬼気迫るものすら感じるこの論考。それもそのはず、情報ネットワーク法分野の実務家(弁護士)として著名な鶴巻先生が鈴木先生に依頼され、実際の事件の弁護に用いた意見書がベースとなっているとのこと。
個人情報を取り扱う事業に携わると、保護法の勝手な解釈を振りかざすクレームめいた悪質な要求に悩まされることも多いと思います。私がかねてより「個人情報保護法は自己情報コントロール権を認めたものではない」旨をこのブログで何度か発信しているのも、そういった過剰な権利意識を生む風潮を是正したいという思いから意識的に行っているわけですが、こうして書物に纏めていただけるのは、事業者の立場としても心強い限りです。









