ハーバード大在学中にfacebookを作り出したプログラマーであり、4億人のユーザーを抱える巨大サービスになった今も、若冠26歳にしてCEOを務めるマーク・ザッカーバーグ。

その共同創始者である大学の友人の視点を通して、物語風にfacebook誕生の裏話を語るのがこの本。

facebook 世界最大のSNSでビル・ゲイツに迫る男


私がこの本を読んだのは、今やGoogleへのアクセス数をも超え、web世界に流れるプライバシー情報を牛耳ろうとしているfacebookという会社が持つDNAを感じ取りたかったから。

そして分かったことは、facebookを作り上げているマーク・ザッカーバーグは、良くも悪くも高邁な思想などなしに、
・一人ぼっちは寂しい
・だから私を知って欲しい(ただし知らせたい人だけに)
・他人のことも知りたい
という人間の“本能”に忠実な世界を、web上に“クール”に作り出すこと、ただそれだけを目指しているのだろうということでした。

本能をさらけ出せ

その“本能”への忠実さの現れが、facebookに登録する際にまず入力を求められるプロフィール欄のこんな選択肢に。

s-fbprof1
s-fbprof2

私が最初登録する際にこの欄を見たとき、「え、何が聞きたいわけ?」と戸惑いを覚えたのを思い出します。つまりこれはこういうことだったわけで。
オンラインであっても、リアルであっても、大学内の「ソーシャルネットワーク」を動かす最大の要因が「セックス」である点は同じだろう。ハーバードは世界でも最も閉鎖的で、あまり「社交的」ではない学校だと思われるが、セックスへの関心が高い点では他と何も変わりはない。「やれるかやれないか」が学生にとってとても重要なのだ。(中略)受ける授業を選ぶときにも、ダイニングホールで座る席を決めるときにも、みな、それを考える。ザ・フェイスブックにしても、突き詰めれば、それが出発点ということになるだろう。根本はやはりセックスなのだ。

Simple is cool

そしてもう1点の“クール”の追求が、サイトデザインへのこだわり。
s-fbdesign

facebookにおいては、驚くべきことに背景画像やメニューバーのカラーを選ぶ自由すらありませんが、その理由はこういうこと。
エドゥバルドは、画面上部のダークブルーの帯と、やや色が明るくなった登録、ログインのボタンをじっと見た。まさに狙い通り「シンプルですっきりした」画面になっている。光が点滅したり、ベルの音が鳴ったりして、苛立たしい思いをすることもない。この画面は、サイトを使う利用者にどんな未来が待ち受けているかを象徴しているとも言える。いきなり特別派手なことが起きるわけではないし、圧倒されてしまうような体験や恐ろしい体験をすることもない。あくまで、「シンプルですっきり」したサイトなんだよ、と暗に知らせているのだ。

本能のfacebook、理性のTwitter

そして、この「セックス」「デザイン」という要素は、
・プロフィール入力は最小限
・すべての発言がオープン(ダイレクトメッセージを除き)
・テキストベースで写真・動画なし、しかも140字
・背景画像も自由、好きなクライアントで利用することもできる
というTwitterでは、全く前提とされていません。

だからこそ、Twitterでは理性的な社交の場が保たれ、参加する際に本能に障るような気持ち悪さ・精神的障壁の高さを感じさせないのでしょう

そう考えると、“本能のSNSとしてのfacebook”と、“理性のSNSとしてのTwitter”は、これからもうまく共存していくような気がします。