ビジネス法務に関する様々なネタを紹介することで、私の頭の整理をしつつ、みなさんのビジネスシーンにもちょっとでもお役に立てればと思って書き続けているこのブログ。
ただ「契約」全般のノウハウについては、ブログという形式で細切れに連載するよりも、以前共著させていただいたライセンス契約本のように、本やwebページとしてまとまっていた方が、ユーザーにとっては使い易くてきっと便利。
そして、もし自分にそんな成果物を世に出すチャンスが再び来たら、
・両者イーブンな標準的条文とは
・買主(発注者)有利な条文とは
・売主(受注者)有利な条文とは
のように、条項ごとに3段階で契約の“相場観”がわかるような本を書きたいなと思っていました。
で、実際に仲間と書きかけていたら、こんな本を出していた先人が既にいましたよ、というお話。
『実践 契約書チェックマニュアル
読み手の法律知識・法務経験を問わない“相場観”スタイル
売買に関する基本契約書を題材に、「表題」・「前文」・「目的」といった契約の導入部分にはじまり、「品質保証」・「瑕疵担保責任」・「知財非侵害の保証」といった個別具体条項、そして「期限の利益喪失」・「秘密保持」・「損害賠償」といった一般条項にいたるまで、計50(!)のチェックポイントに細かく章を分けた上で、
そのそれぞれについて、両者ほぼイーブンな標準的条文案/買主有利な条件にするための変更条文案/売主有利な条件にするための変更条文案を並べ、ポイントを解説していくというスタイル。私が理想としていたのがまさにこれです。

文章の中で“相場観”を意識しながら書いている契約本は他にもあるにはあるのですが、長い文章の中で相場観をユーザーに読み取らせるのは(読み手に法務経験でも無い限り)難しいと思います。
その点、標準ライン/買主有利/売主優位がはっきり明示されているこの本を片手に取引先から提示された契約書を照らし合わせれば、民商法や契約の基本原理を知らない・法務経験の無い人でも、少なくとも買主/売主どちらの立場に有利に作られているのか?はわかりますし、自社優位と言わないまでもせめて公平・標準的なラインに変更するよう交渉するために、相手に対してどんな修正案を出せばいいのか?もわかります。
実際に自分が思い描いていたものがすでに本になっているのを見て、やはり契約書のチェック本としてはこの“相場観”スタイルがユーザーにとって一番便利なのではないかと思った次第。
地味な表紙・タイトル・レイアウト(失礼)に、私もいままでノーマークでしたが、契約書に課題を感じていらっしゃる現場の方、初中級法務パーソンには、これは便利な本だと思いますよ。









