これは素晴らしい本。
『実践的eディスカバリ―米国民事訴訟に備える
NTT出版と聞いて、IT寄りのちょっとした事例や対策ソフトウェアの紹介が中心だったら・・・という懸念を抱いてましたが、ど真ん中ストレートの、しかもとても分かりやすい法律論。
eディスカバリの手続きやその負担の大きさだけに触れるのでなく、始めにアメリカ民事訴訟法と(電子情報に限らない)通常のディスカバリ手続きを解説してから、肝心のeディスカバリの部分について代表的な判例もしっかりとなぞって解説してくださっているところが素晴らしい。今まで米国民事訴訟法や訴訟制度もろくに勉強せずに、よく英文契約書なんてレビューしてたなと、思いっきり反省しました。
さらに、期待以上だったのは、サブタイトルでは「米国民事訴訟に備える」とあるにもかかわらず、日本の民事訴訟において電子情報が証拠としてどう扱われるかについても、7章あるうちの1章をまるごとひとつ割いて解説して下さっている点。
これまでに、弁護士会等から出版されている証拠収集の参考書も読んだものの、いずれも講学上の話が多く、電子情報が証拠としてどう扱われるのかという実際のところまではつかめなくてリアリティが感じられなかったわけです。しかし下記表のような現実をまとめた表があったりすると、途端に「他人事ではないな」と思えるわけで。人間とは単純な生き物であります。

文書の原本性・真正性を立証するフォレンジック技術について、もう少し深掘っていただけたら、先日のエントリで触れた私の疑問(電子情報の原本性を担保する手段はタイムスタンプしかないのか?)も解消したかも・・・なんて贅沢な感想を抱きつつも、日本においては類書のない素晴らしい本として自信をもってオススメします。









