何だかんだ言って、業界・企業規模問わず各社法務でも年に数度は目にするのであろうシステム開発契約。それだけに今回の特集「システム開発契約をめぐる紛争」は楽しみにしていました。

BUSINESS LAW JOURNAL ( ビジネスロー・ジャーナル ) 2010年 05月号 [雑誌]


特に楽しみにしていたのは、P36〜の「裁判例から見た紛争類型」。

1)契約成立に関する問題
2)仕様確定段階における当事者の義務
3)(システム開発の)対象範囲
4)システム不具合(瑕疵)
5)その他

この5つの類型に分けて、公刊物未登載の裁判例も含めた12の裁判例を当てはめて傾向を読み解く特集。

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法務パーソンがシステム開発契約をチェックしたりドラフティングしたりするときには、とかく瑕疵担保責任や表明保証をどれだけきっちり勝ちとるかということばかり意識が向いてしまいますが、実際の裁判例を見ると上記類型の1)〜3)、つまり仕様確定に至る過程になんらかの不備があって紛争になっているということが明らかにされています。

この仕様確定プロセスの重要性は、P28〜の元日本IBM・現隼あすか法律事務所中村先生による記事「紛争はこうして起こる」においても、最大のポイントと指摘されているところ。

法務だから契約書本体だけチェックして、添付される技術仕様書なんて細かいことは知ーらないっていうスタンスではNGで、自分が技術をちゃんとわからなくても、仕様確定に至る記録を議事録や一方的なメモでも残させるよう現場技術者を管理監督することが重要だということが、本特集に登場する実務家全員の意見の一致するところのようです。

私も新しモノや機械モノにはそこそこ強いつもりですけれど、これだけITまみれな世の中になってくると、本当は「企業法務について」の著者であり、iPhoneアプリ「パーフェクト六法 LAW launcher for iPhone」のプログラマーでもある@kataxさんみたいに、自身でプログラムを書けるぐらい技術に通じて仕様書の中身もチェックできる人が、法務パーソンとしては理想的なんでしょう。

そこまでは一朝一夕には到達しないにしても、せめて自社が売る/使うシステムの技術仕様書に書いてあることがわかるぐらいの勉強は(技術者に頭を下げて教えを乞うてでも)するべきだと私は思いますし、泥臭いですけどそういった行動を通じて法務パーソンの“本気さ”が技術者にも伝わることで、会社全体の契約に対するモラルも上がっていくものではと思っています。

綺麗事言いました?