このエントリで伝えたいこと
- グローバル経営とは、ローコンテクスト経営である。
- 言葉の壁は文化の壁、文化の壁はマネジメントの壁、マネジメントの壁は経営の壁。
英語会議は必要十分条件ではないけれど
楽天が毎朝月曜に全社員を集めて行う「朝会」を英語でやると聞いたときは、何かのパフォーマンスと社員の啓発程度の話かと思ったのですが、ついに役員会議までも英語でやることにしたそうで。
Good morning, we are in the first ”English" executive meeting. Big step for truely internationalize the company for Rakuten.
その話を聞いて思い出したのがこの本。
『グローバル人事―課題と現実 先進企業に学ぶ具体策
組織とは、上からの指示と下からの報告相談、さらには横からの関連部門によるサポートや要請といったものによって成り立っているのです。
それぞれの職務についている人々が、それぞれ相手に向かってさまざまな行動を起こしており、その矢印のぶつかるところで議論や再確認、あるいは業績に対する認識のずれが修正され、日々のビジネスの方針が決まっていくわけです。
これからのビジネスの世界は、それがたとえ日本国内向けのものであっても、ますますローコンテクスト化していきます。「いわれなくても、そんなことはわかっているだろう」。かつての日本企業で絆の強さを示すポジティブ表現だったこの発想ほど危険なものはありません。
ここでいう「ローコンテクスト化」とは、世界中に散らばる社員がお互いに共有している知識や経験が少ないことを前提にして、当たり前だと思うことでもあえて明示的に(言葉で)説明していくということ。
この本では、三菱商事・キャノン・トヨタ・帝人・マツダといった、日本“発”のグローバル経営に力を入れている企業の人事部を取材し、まとめてくれているのですが、どの企業も苦労しているのが、この社内コミュニケーションのローコンテクスト化。
イントラネット上にあるような情報をすべて(事実上の世界共通言語である)英語化し、ローコンテクスト化していくことをグローバル経営の最低条件と定義している各社ですが、そもそも英語でコミュニケーションしているもの(議事録・成果物)をそのまま載せるのと、日本語やその他現地語のものを英語化するのとでは、コンテクストを共有するスピードも深さも違ってくるわけで。各企業がその部分で苦労している様が、インタビューの内容からよく分かります。
組織をつなぐコミュニケーションをローコンテクスト化するためには、そもそもの方針・ビジョンといった企業のコンテクストを決定し発信する経営者のコミュニケーションそのものをローコンテクスト化する必要がある。
そう考えると、グローバル経営への本気度・実施度は、経営会議を英語でやっているかどうかに如実に現れるように思います。
楽天のグローバル展開にかける本気度は、こんなことからも伺えるのではないでしょうか。









