このエントリで伝えたいこと
- 社会保険の問題は、社保庁の組織的腐敗だけでなく、複雑な制度設計に隠された既得権との戦いでもある。
複雑な医療保険制度に隠された“既得権”
先週、こんなニュースが出ていたのはお気づきだったでしょうか。▼違法加入で建設国保を立ち入り調査(日テレNEWS)
建設業に従事する人が加入する国民健康保険組合の一つ「建設国保」がずさんな運営を行っているとして、所管する厚労省と東京都が9日朝、東京・中央区にある建設国保の本部に立ち入り調査を行った。
建設国保は総予算の4割、約240億円を国からの補助金で賄っている。市町村が運営する国民健康保険より保険料が安く、加入できるのは建設業に従事する人に限られているが、徳島県の支部で建設業と関係のない職業の人を違法に加入させていたことが発覚した。国がその分の医療費を過剰に負担していたことになり、厚労省などは、徳島県以外でも問題がないかなど組合の運営実態を詳しく調べる方針。
▼全健国保に個人事業所装い加入 組合本部が誘導か(asahi.com)
ずさんな会計処理や無資格加入が問題になった全国建設工事業国民健康保険組合(本部・東京、森大(もり・ひろし)理事長)で、原則では加入できない株式会社などの法人事業所が、個人事業所を装って加入している事例が大量にあることが分かった。組合本部が偽装加入を誘導してきたという証言もあり、組合は結果的に国からの手厚い補助金を不当に受け取っていたことになる。
企業にお勤めのビジネスパーソンのみなさんはあまりご存知ないと思われる、国保組合が保険者となる国民健康保険(国保組合健保)。
日本の医療保険制度はその職業別に大きく以下5つに分かれていますが、
1)企業健康保険
健康保険組合を持つ大企業に勤めるサラリーマンが加入
2)協会健康保険
全国国民健康保険協会が運営する中小企業サラリーマンが加入
(社保庁解体前の政府管掌健康保険)
3)共済
公務員および私立学校職員が加入
4)船員保険
船員が特別法に基づき加入
5)国民健康保険
1〜4いずれにも加入できない自営業者、無職者が加入
今回問題になっている国保組合健保とは、分類上は5)の中の1つでありながら、市町村ではなく「個人事業主が自分達自身のために作る独自の健康保険組合」が運営しているイレギュラーな国民健康保険のこと。
ニュースで取り沙汰されている建設国保をはじめ、医師国保、弁護士国保、理容国保、料理飲食国保・・・と、職業/地域別に160あまりもの組合があります(補助金負担を増やさないよう、新設は認められていない)。

もともと5)の国民健康保険が創設された当初は、国民健康保険は農山漁村民のみを対象とする保険だったのですが、1958年に全国民をカバーする保険制度となったことを受け、それ以前に存在した国保組合健保を5)の国民健康保険の制度に取り込んだ、という経緯があります。
そして、国保組合健保を国民健保に取り込む経緯の中で、自営業者の高い結束力を背景に「集票マシン」として機能する国保組合健保に対し、多額の補助金が支払われることに。これによって国保組合健保は、加入者が毎月支払う保険料も割安、受けられる保障も通常の国民健康保険よりメリットがあるなど有利な保険となりました。
あえて少しトゲのある言葉を使えば、同じ国民健康保険制度の加入者の中に、既得権を謳歌している人たちとそうでない人たちがいるということです。
しかも、今回の事件は、既得権の濫用どころか加入資格要件をごまかして国の補助金を搾取していたということ。
たまに「当社は建設国保に加入しているので健康保険も万全です」とか書いてある求人票を目にしては、個人事業主じゃないのにおかしいよなぁ〜と思っていたんですが・・・。
ここ掘れワンワン→芋づる状態の長妻大臣・・・でも負けないで
調べてみると年始にはこんなニュースも出てたようで。▼国保組合への別枠補助金、減額へ 19組合が上限超過(asahi.com)
建設業や小売業などの自営業者らがつくる国民健康保険組合(国保組合)に対して、公表されている補助金制度とは別枠で、総額229億円の補助金が出ていた問題で、長妻昭厚生労働相は6日、2011年度予算の概算要求に向けて、この補助金の内容を調べ、不要と判断される分については減額・廃止することを決めた。
法律で加入者は原則、医療費の3割(現役世代)を負担すると定められているが、全国建設労働組合総連合(全建総連)系の11国保組合で入院時の自己負担を実質無料としている。厚労省によると、このほかに奈良県歯科医師国保など4歯科医師国保、2医師国保と1建設国保でも実質無料としていた。
どうやら、社保庁の組織的腐敗以上に根深い問題が、この国民健康保険制度には潜んでいるようです。
官僚にいじめられてお疲れでは?と揶揄される長妻大臣。こんな重たい問題とも戦っているんですね。
大変でしょうが大切な問題だと思います。お体をご自愛いただきつつ、きちんとした解決へと導いてほしいものです。










いるのだと思うと、とっても勇気が湧きますし、私ももっと
仕事を頑張ろうという気になります。
これからもどうかよろしくお願いいたします。
私もブログをつくりましたので、今後とも色々と企業法務について
一緒に考えさせていただければと思います
よろしくお願いいたします