あいかわらずtwitterでは藤末議員(@fujisue)がこれをネタに叩かれ気味なこともあってか、ご本人が何度かブログ等で釈明されている公開会社法(案)について。

公開会社法,民主党はこう考える(Tech On)

とりあえず藤末議員が言いたいのは、「従業員代表監査役の話ばっかり一人歩きしちゃいましたけど、それだけじゃないんでヨロシク」ということらしいです。

そのわりには、民主党プロジェクトチームなる人たちが考えている法案の中身に関する情報はあいも変わらず断片的にしか出されていないので、全体として評価しようにもしようがないじゃないかと。

ということで、現時点で私が入手している断片的な情報(新聞記事・大久保/藤末議員の発言・法務筋の情報)をつなぎあわせて整理しようという試みが以下。もし事実と異なる点があればご教示下さい>民主党プロジェクトチームなる方々。


■対象
上場会社。
会社法上の公開会社の定義(株式に譲渡制限が付されていない会社)とは一致しない。

■法案骨子
骨子は以下4点。

1)情報開示の徹底
a.既存の金商法、会計監査制度等を準用した上で、一般会社より
 情報開示を強化。
b.株主に随時質問権を付与

2)内部統制の強化
a.社外取締役の選任要件強化
 ー親会社・借入先の銀行・有力取引先の出身者は社外要件を
  満たさないものとする
 ー社外過半数化も含めた人数要件の変更
b.監査役の一部の選任要件強化
 ー従業員代表(非組合員含む)より1名の選任義務化
c.監査役の権限強化
 ー会計監査人の監査役会等に対する報告義務
 ー会計監査人の選任・報酬決定の権限の監査役会等への移行

3)企業集団の明確化
a.企業集団の定義明確化
 ー金商法の概念を前提に再定義
b.親会社の責任・権限明確化
 ー子会社の重要な意思決定は、親会社の株主総会での承認を
  要する
 ー親会社は、子会社取締役の業務執行を指揮
 ー子会社債権者に、親会社とその取締役への損害賠償請求権
  を付与
 ー親会社株主に、子会社取締役への株主代表訴訟提起権を
  付与

4)その他
a.M&A規制の強化
 ー買収防衛策としてのポイズンピルの禁止
 ー買収者に全部買付義務

■導入時期
公開会社法の制定は3年後(2012〜13年)を見込むが、金商法の改正等や上場規則の変更による随時導入もにらむ。
 

と、あらためて眺めてみると、2bの従業員代表監査役は言わずもがな、3bあたりも法律関係を複雑にする百害あって一利なし、1bの株主随時質問権なんてIR部門がコールセンター化するわ公平な開示もあったもんじゃないわ・・・と、いったい誰の利益のためにこのような法案を検討されているのか、理解出来ません。

この点、藤末議員は冒頭紹介の記事で
まず根源的な疑問点として、現在の日本における企業の行動が野放図になっているのではないかということが挙げられる。下表のように続発する企業の不祥事を検討すると、適切な情報開示や企業統治を担保する仕組みが、法的に不十分なことに行き着く。
と述べた上で、カネボウの粉飾やライブドア事件等を列挙しています。
この法律が先に制定されていたら、カネボウやライブドアの事件は起こらなかったのか?という突っ込みどころはあるものの、ここだけ読むと、「株主が騙されないよう、株主の利益のために」ということのようにも読めます。

しかし、続く後段では突然株主が敵視(笑)され、
ここから先は藤末個人の意見であるが、やはり「会社は株主のもの」として短期の配当性向を過度に高めるように株主から強要されたことが、企業の健全な発展や社会の安定の妨げになっているといえるのではないか。
と、「企業や社会の利益」が持ち出されます。
株主が短期の配当性向を求めたんだったら当然企業は(合理的経営判断のもと応じられる範囲で)応じるんじゃないの?社会の安定って具体的には何?と、ここもお伺いしたくなるところです。

連合をはじめ、色々な団体の利益を総合的に勘案しているうちに、目指す方向性がわからなくなっている気がしないでもないこの法案。私としては、むしろ労働者の利益のための法案ということで振り切った再整理をした方まだいいのではないかと思うのですが。それが本音であるならば。