広告表示に関するコンプライアンス的チェックポイントについて簡単にまとめていくシリーズ第四弾。

今回は、No.1表示についてです。

景品表示法により,事業者が自己の供給する商品等の内容や取引条件について、実際のもの又は競争事業者のものよりも著しく優良又は有利であると一般消費者に誤認される表示は、不当表示(第4条第1項第1号の優良誤認または同第2号の有利誤認)違反となります。業界によっては、公正競争規約としてこれを明確に規制している業界もあります。

これらの点について、公正取引委員会が、No.1表示の実態調査と景品表示法上の解釈を詳細にまとめたものとして「No.1表示に関する実態調査報告書」(PDF)がありますので、ご一読をおすすめします。

具体例は以下5つです。

1)ランキング
「第3のビール売上No.1」「着工棟数実績日本一」などの表記。まさにNo.1表示の典型例。

2)シェア
「Netbookシェアでは30%を占めています」など、市場占有率を示す表記。

3)「最も」表現
「業界トップの技術力を誇る当社の技術部隊が…」「SNS最大手である○○社も利用する信頼性の高いデータセンター」のようなパターン。

4)「初めて」表現
「国内メーカーでは初めて、超解像技術を搭載した液晶ディスプレイ」「日本でこの料理を出したのは当店が最初」といった表現。

5)「オンリーワン」表現
「他店にはない当社だけのオリジナル特典です」「日本で唯一の無殺菌生乳」など。


なお、上記のような広告表示で誤認をさせることが法違反だというだけで、「客観的証明」によって誤認でないことが示せるのであれば、もちろんこのような表記も可能わなけですが、私の中では、この「客観的証明」問題をどうクリアするのかが、これまでこのシリーズでご紹介してきた広告表示の問題の中でも最もややこしい問題なのでは、と思うにいたっています。

上記公取委の報告書P7にも記されている不当表示にならないための要件では、
No.1表示が不当表示にならないためには、1)No.1表示の内容が客観的な調査に基づいていること、2)調査結果を正確かつ適正に引用していることの両方を満たす必要がある
つまり、「自社調べ」ではダメで、「●月●日付●●新聞調べ」というように他社の調査結果をちゃんと“引用”して紹介することが求められているのですが、この客観的証明における“引用”をどうやるかが曲者なのではと。

(公取委は“引用”だから金も手間もかからないことを想定していると思われる一方、)民間の調査会社等が調査したランキング等のデータを完全商業目的の広告において利用するにあたって、“引用”という理解のもと新聞社や雑誌社に許諾を取らずに利用することは、出所明示などの形式的な適法引用要件は満たせても、「公正な慣行(著32条)」や「引用の目的上正当な範囲内(32条)」と言えるのか、という懸念です。

実際、ランキング会社の代表格オリコンさんのHPにはこんな表示が。
s-oricon

やっぱり、ランキングのようなデータは、“引用”ではなく正々堂々と許諾を請い対価を払って利用するのが筋、ということなのでしょうか。

この問題、是非広告会社の法務の方にご教示いただけるとうれしいです。