今度他社法務の方々と予定している勉強会の準備を兼ねて、日常寄せられる相談や研修などで私が社員にアドバイスしている事項の中から、広告表示に関するコンプライアンス的チェックポイントについて簡単にまとめていくシリーズ第一弾。

今日は手始めに、広告表示でやりがちな著作権侵害(ちょっと商標権その他も混ざってますが)のチェックポイントをまとめてみようと思います。

1)新聞や雑誌の流用
見出し、記事はいずれも基本的には著作物と考えます。昔は署名入りの論説でなければokと豪語する方もいらっしゃいましたが、無断で転載したり、要約して利用するのはNG。

2)データの流用
新聞社や民間調査機関が調査したデータも流用したくなるものの代表例。
データそのものの著作物性については争う余値はあるものの、編集物としての著作権を侵害する可能性が高いため、無断で転載したり、加工して新たなデータを作成しないように注意したいところです。

3)小説の引用
広告はどう考えても商業利用になるので、(形式的には引用であっても)基本的に著作権者の許諾が必要と考えます。
許諾については、社団法人日本文藝家協会へ問い合わせを。

4)歌詞の引用
これも上記3)同様。
歌詞の場合は替え歌的な利用にも注意したいところ。
日本の歌であれば、著作権管理はほとんどJASRACのはずなので、申請と許諾取得を忘れずに。

5)絵画/イラストの利用・写り込み
著作者の死後50年以上経っているような歴史的な絵画作品であれば別ですが、絵にはもれなく著作権が発生しています。特に絵の場合は、タッチを変えて書き直したり、パロディ的な利用をしがちなので注意したいところ。
また広告の被写体の背後に写り込む場合も、それが作品として目立つ場合は許諾が必要になるケースも。
こちらの問い合わせは、社団法人日本美術家連盟へ。

6)写真の利用・写り込み
写真が著作物なのは言うまでもありませんが、抜けがちなのはその写真が掲載されている新聞社・出版社の許諾だけでなく、撮影者(フォトグラファー)の許諾を要することが多い点。
また、許諾が取れた場合でも、他の写真と合成したりトリミングするのは著作者人格権上も言語道断です。
加えて、写真の中にさらに別の著作物が写り込んでいる場合も要注意。写真の利用について出版社や撮影者の許諾を得ていても、写り込んでいる著作物の権利処理がなされていないことによるトラブルが発生するケースがあります。
写真についての問い合わせは、社団法人日本写真家協会へ。

7)映画・ドラマ・CMの場面
制作者の許諾が必要。さらに俳優や有名人が写っている場合はパブリシティ権の観点から所属プロダクションの許諾も必要となるため、手続きが煩雑になります。
特に外国映画の場合は、配給会社や俳優の許諾のハードルが高いため、やめておいた方が得策かと。

8)他社製品・キャラクター商品の写り込み
他社の商標(ロゴマーク)や明らかにそれと分かるような製品の写り込みは、商標権や不正競争防止法上の観点からも危険なので極力避けます。
キャラクター商品の写り込みは、商品の販売元だけでなくキャラクターの著作権者の許諾も必要となってくるので、特に注意が必要です。

9)マークの無断利用
有名かつやりがちなところでは、オリンピックの五輪マークの無断利用。国際オリンピック委員会のワールドパートナー・オフィシャルパートナー以外は利用不可となっています。
意外なところでは、赤十字のマーク。「赤十字の標章および名称等の使用の制限に関する法律」によって商業利用に制限があります。

10)バーコード
ちょっと細かい話ですが、バーコードをデザイン的に利用したい場合、財団法人流通システム開発センターでの登録必要があるものは自由利用不可とされていますので注意。
また著作権からは離れるものの、携帯電話のカメラなどで読み取れるQRコード等の2次元バーコードについては、コード名称の商標権者について添え書きが求められる場合があります。


次回は肖像権・氏名権あたりをまとめる予定です。