佐々木俊尚さんの著書『仕事するのにオフィスはいらない
ついに日本のホワイトカラーに到来したフリーランス化の流れ
2001年にダニエル・ピンクがその著書で唱えた『フリーエージェント社会の到来
ようやくというべきか、この本が売れるという事実が、日本にも(アメリカに遅れること10年で)ついにその時代が到来したことを感じさせます。
アメリカにおけるフリーエージェント社会の到来は
1)雇用保障の崩壊→個人と組織の関係の変化
2)テクノロジーの進化→生産手段の小型化・低廉化
3)中流層の生活水準向上→金でなく仕事が生きがい化
4)組織の短命化
この4つの要素によってもたらされたと、ダニエル・ピンクの著書に書かれていましたが、まさに今の日本においても、そのすべての条件が揃った感があります。
自らがそのフリーエージェントの代表選手でもある著者の佐々木俊尚さんがこの本で主に伝えるのは、その4要素のうちの特に2)テクノロジーの進化がもたらす働き方の変化。
Googleを中心としたクラウドが充実してきた今、クラウドにアクセスするツール(iPhoneもしくはノートPC)と回線があれば、オフィスがなくても、いやむしろオフィスがない方が生産性の高い仕事ができるということを、自分自身の体験と実際のフリーランサーの紹介を通して描きます。
テクノロジーの進化がブルーカラーに及ぶのはいつか
しかし、この「労働者フリーランス化論」には必ずある種の違和感がつきまといます。
「知識労働のホワイトカラーだけがフリーランスになり、装置産業で働くブルーワーカーは永遠に雇われ労働者だというのか?」という違和感です。
ネットという新しいインフラとコミュニケーションツールによって、ナレッジは活性化し、ホワイトカラーの働き方が変わる・・・もうそれは分かったよ。変われるのはホワイトカラーの労働者だけなの?と。
「製造業はもうだめだから、人件費の安い国に任せるべきだ。」
「日本もアメリカ並に成熟化したのだから、知識産業、サービス業、観光で生きていくべきだ。」
このような論調が幅を利かす今ですが、私は日本人の“そこまでやるか”的職人気質がいかんなく発揮される製造業労働者の働き方も変われて初めて、日本と日本人が将来に可能性を感じ、自信を取り戻せるのだと思っています。そしてそれを可能にするテクノロジーの進化も、きっとやってくるはずです。
その来るべきテクノロジーの進化について、ちょっと古い本ですが、『ウィキノミクス マスコラボレーションによる開発・生産の世紀へ
ファブラボと呼ばれるこの機械は、ハイテクワークステーションと組立ラインが融合したようなものだ。これさえあれば、ほとんど何でも作れる。たとえば、二次元、三次元の形を作り出すレーザーカッターから、回路基板などの精密部品を作るデジタルカービングツール、安価なマイクロコントローラーを作る電子部品やプログラミングツールなどが作れるのだ。
MITのニール・ガーシェンフェルド教授は、ファブラボが家庭に普及すれば、物的なものの設計や製造のやり方が一変すると考えている。情報革命により、コンピューターという形で誰もが情報とメディアをとり扱えるようになったが、それと同じように、デジタルファブリケーション技術により、家庭や地域という単位で物理的な物を作れるようになる日が到来するというのだ。そうなれば、物を作ったり使ったりするやり方や、物と人との関係が激変するはずだ。
今は装置産業と言われている製造業に工場がいらなくなるようなテクノロジーの進化により、日本の中小企業にいらっしゃる職人的技術者がフリーランス化する時こそ、日本人の働き方が変わり、日本に復活の兆しが見える時なのではないか。そう考えています。









