著者の岡野雅行さんは、テルモと共同で発明した「痛くない注射針」や、携帯電話のリチウムイオン電池ケースの量産化成功で一躍有名になった、墨田のプレス・金型職人。

出版社がつけたのであろう「世渡り力」というタイトルがなんだか漠然としていてうまくないのですが、つまるところ、岡野流“人脈術”の本です。

『人生は勉強より「世渡り力」だ!』



情報と義理で記憶に残る人になる

岡野さんの人脈術のポイントは、「情報」と「義理」。

「情報」のワザで言えば、
仕事を成功させたいんだったら、しゃべらなきゃダメだよ。(中略)「あいつを呼んでも、ただいるだけでロクに話もしないし、もう呼ぶ意味がないな」ってことになったら、情報交換だってできなくなる。ほうぼうから声がかかるってことが大切なんだ。
待ってたって情報なんか集まっちゃこない。つねに大企業の人間とつきあっていないとダメ。最新情報の発信基地は、やっぱり大企業だからね。
つまり、あからさまにアウトプットしてインプットを得るということ。

「義理」のワザで言えば、
人からものをもらったときは、「倍返し」するといい。
たとえば、3,000円の菓子折りをもらったら、6,000円のものを返すんだよ。これには理屈がある。くれた人は、俺なり家族なりのことを考えて、品物を選んでくれるわけだろ?
「岡野さんは、これが好きだって言ってたから、きょう持っていってあげよう。」
とかさ。その気持ちがありがたいよな。その気持ちへの感謝が3,000円分だ。そして、当然品物に対しても同額をお返しする。合わせて6,000円ってことになるわけだよ。
「これは絶対食ったことないだろうな」ってものを選んで贈るんだ。
たとえば、鮭の切り身。ふだん食ってる鮭の切り身っていえば、そこらで売ってる一切れ130円かそこらのもんだろ?俺が贈る鮭は一切れ1,300円はする。受けとった方は、最初、「なんだ、鮭の切り身か」って思うわけだよ。珍しくもなんともねぇんだからさ。だけど、食ってみたら全然違う。「旨い!こんな鮭があるのか?」ってことになるんだよ。
つまり、過剰なまでのGiveとサービス精神。

岡野さんは、この「情報」と「義理」という2つの力を使って、“いかに自分のことを覚えてもらうか”を追求している人なのです。

たくさん出会う人の中でも、とにかく記憶に残る人であれ。

単純だけれど、これは真理だと思います。