7月号責了です(BLJ編集部ブログ)
今回はいつもと少しテイストが違うかな??

という編集部のあめちぇさんのつぶやきにもあるように、取材内容が、そして気のせいか編集デザインまでもが濃い今月のBLJ。

「取締役・監査役を取り巻くリーガルリスクの現在」という特集記事の緊張度の高さがそうさせたのかもしれません。

BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2009年 07月号 [雑誌]




え、辞めてなかったんですか?

まあとにかくびっくりしたのが、荏原製作所の社外監査役、大森義夫さんの取材記事。

役員の不正取引の調査について疑義を感じたことを理由に、株主総会で
コンプライアンス上重大な疑義があるので事業報告を承認しない
という意見を付記するという、「監査役の乱」を起こし一躍有名になった方です。

結局あの事件、特に株主総会議場での株主からの質問も無く、計算書類の承認決議はそのままなされたということだったので、私はてっきり大森さんはその後お辞めになったのだろうと思っていたのですが、なんとまだ荏原製作所の社外監査役を務められているとのこと。

さすが警察庁・公安部長・内閣情報調査室長を歴任した方だけあって、正義感が強いというか肝っ玉が据わっていると言いましょうか・・・。


監査役とのパイプが「戦う法務パーソン」の武器になる

そんな大森さんのコメントに、法務パーソンが担うべき役割への示唆があります。
監査役、会計監査人、顧問弁護士、社内の内部統制担当部署が緊密に連絡しあって情報を共有することが、日本企業のガバナンス上最大の課題だと思います。ところが実態は、企業は特に社外監査役に対しては、都合の悪い情報は開示せず、自分達に都合のいい学説、論文は取締役会議事録に添付したりするのが現状です。

大森さんが危惧する実態があるとすれば、まさにその「自分達に都合のいい学説、論文」を探して提出しているのは、その会社の法務パーソンに他ならないのでしょう。たとえ企業に雇われた身だとしても、そんな“情報操作”に加担する法務パーソンは失格だと思います。

このblogでも何度か述べてきたように、私たち法務パーソンは
自分の雇い主である経営者が嫌がる本音ベースの提言も(時と場合によっては嫌われるのを覚悟で)しなければならない
存在。
私たちが最後の砦を守ることを放棄したら組織のコンプライアンスは崩壊する、ぐらいの気概をもって仕事をしたいものです。

とはいえ、法務パーソン自身がひとりで戦うのは無謀ですし、賢いやり方ではありません。そこで武器にしたいのが、監査役とのパイプです。

法務担当者やコンプライアンス部門担当者であれば、日常で監査役から質問や調べ物の依頼を受ける機会もあるはず。そんな細かいことまでお気になさらないでも・・・とうざったく思う時も正直あるとは思いますが(笑)、そんな小さな機会を捉えて監査役を支援し、パイプを太くしておくのです。そして、経営者と戦わなければならないいざ、というときには、私たちが監査役という神輿を担いで「戦う監査役」になってもらえばいい。私はそう思っています。

ちなみに、このパイプを太くするための監査役への小さな奉仕活動は、会社の中では目立たないようにした方が得策かもしれません。
監査役が取締役にとって耳が痛い情報を口にしたときに、「法務のやつら、また影でコソコソ告げ口しやがって」と取締役に思われないためにも。