Facebookが利用規約を変更したことが、ちょっとした騒ぎを呼んでいます。
▼Facebook reverts to old terms, promises to craft new TOS with user input(The Industry Standard)
日本でも以前、mixiで同じような利用規約変更騒ぎがありましたね。
▼mixi利用規約第18条問題と、附合契約の変更同意みなし規定の合理性(企業法務マンサバイバル)
今回の騒ぎについて、日本のマスメディアもネットメディアも「日本のSNSが犯した過ちをアメリカのSNSが繰り返し、同じように謝ってるよwww」といった軽い感じの論調になっているわけなんですが・・・Facebookの対応は批判に屈し謝罪しておしまいというような、そんな低レベルな対応にはなってないないようで。
発信者の情報コントロール権の限界
▼On Facebook, People Own and Control Their Information (The Facebook Blog)
When a person shares something like a message with a friend, two copies of that information are created―one in the person's sent messages box and the other in their friend's inbox. Even if the person deactivates their account, their friend still has a copy of that message. We think this is the right way for Facebook to work, and it is consistent with how other services like email work. One of the reasons we updated our terms was to make this more clear.
In reality, we wouldn't share your information in a way you wouldn't want. The trust you place in us as a safe place to share information is the most important part of what makes Facebook work.
発信者が何か情報を発信すれば、受信者に到達した時点で受信者の占有下にもコピーが作られ、受信者の情報となる。発信者が退会しようとも、受信者はその情報を持ち続けたままだ。そして、その状態を維持することはFacebookとしては当然にやるべき仕事と考える。そのことを明確にしたのが今回の利用規約改訂の意図の一つだ。
あなたの情報をあなたの意に反して利用しようとするものではない。情報交換が安全にできる場であるという信頼の維持こそが、Facebookが成すべき仕事として最も重要なことなのだから。
発信者が情報交換の場を利用して情報を発信すれば、受信者となる者が必ず発生する。そして、受信された情報のコントロール権は、受信者にも、そして情報交換の場を構築し提供している事業者にも当然に発生する。
Facebookは規約変更については見直しに入ったものの、ここで述べている視点は、情報の共有をビジネスにする最先端の企業ならではの、情報コントロール権の本質をついた問題提起だと思います。
個人情報取扱事業者にも情報コントロール権はある
私が携わる人材ビジネスも、個人情報をたくさん取り扱っています。求人者と求職者の情報を預かり、マッチングし、スムースな交換を促しているという点においては、Facebook同様、情報コミュニティを構築しているとも言えるかもしれません。
一方で、こういった情報サービスを利用する顧客は、自己情報のコントロールに非常にナーバスです。サービスが終わった瞬間に、「私のデータを一つ残らず全て消去しろ」と要求される方も少なくありません。
もちろん、可能な限りご要望にはお答えすべきでしょうし、不要な情報は事業者の安全のためにも削除すべきでしょう。
とはいえ、個人情報取扱事業者が、そのサービスを運営していく上で、Facebookと同様に事業運営上の都合で消去に応じられない情報も存在します。
例えば人材サービスにおいては、求職者からお預かりしたキャリアに関する個人情報を受信者である求人企業にお渡しするわけですが、その求人企業にお渡しした個人情報は人材サービス事業者の力では削除はできません。また、その求職者が無事入社に至れば、サービス提供の履歴として、もしくは売上計上の会計記録として、削除は不可能になります。それでも、それを理解せず削除を頑なに要求する利用者が存在します。
日本においては「情報主体が自己情報の全てをコントロールできる」という原則が前面に出すぎ、発信者のワガママな要求に情報受信者や個人情報取扱事業者が必要以上に振り回され、苦しめられているシーンがあまりに多いのではないか。そんなことを改めて考えさせられました。
過去、同じような問題が発生した際に「著作物は俺たちにも自由に使わせてよ」というミエミエの下心を慌てて「海外サーバーへのコピーが自由にできるようにしただけで、ユーザーの権利を奪うものではないです。スミマセン・・・」と苦しい釈明・謝罪に終始したミクシィ。
Facebookの今回の対応とは、同様のサービスを提供する事業者でありながら、だいぶ“思考の深み”が違うようにも見えました。









