「CFOとは、熱気球のように風に流される存在である企業を、熱やおもりといった限られたコントローラーを操って目的地に誘導する経営者を支える経営参謀である」と熱く語る本『最強の経営参謀』を読んで、前からうっすら思っていたことを少し書いてみます。

財務・経理パーソンであれば、キャリアゴールとしてCFO(Chief Financial Officer)という社会的にも認知された地位があるのに対して、同じ事務方にもかかわらず、法務パーソンのキャリアゴールは非常に見えにくいのではないかと。

CLO(Chief Legal Officer)やCCO(Chief Compliance Officer)という肩書きも世の中には在るには在りますが、法務部門のトップにとりあえずCFOっぽい肩書きを作ってみました感ありありで、期待や役割がしっかり定義されているとはとても言い難いように思います。

そんな中で、私たち法務パーソンは、キャリアゴールをどこに置いて仕事をすべきなのでしょうか。

私は今のところ、そのキャリアゴールを
経営の思いを法的な後ろ盾を備えた言葉で経営に代わって言語化する“経営代書人”である
と置いて仕事をしています。

経営者の思いを言葉に代えて、ステークホルダーと円滑なコミュニケーションできる状態を作る役割を担う人であり、しかも、言葉によって生まれる法的なリスクを熟知したうえで最も適切な言葉を選ぶことができる人のことです。

顧客・取引先とは、契約書や内容証明郵便等を通じて、

株主とは、株主総会の事業報告書やプレスリリース等を通じて、

従業員とは、社内規程等の社内文書を通じて、

それぞれの文書において、経営者の思いが、法的な確実性を備えて、きちんと伝わる言葉として表現されているかを見守り、サポートする役割。

日本においては「代書」と言う言葉に少しネガティブなニュアンスが含まれてしまうところがイマイチな感じもありますが、言語化能力で飯を食うという点をストレートに表現するには、自分の中では今のところこの言葉がしっくりくる感じです。