契約法務強化月間ということで、今日はライセンス契約のガイドブックを。

前回ご紹介の本『ビジネス契約書の起案・検討のしかた』は「読んだことありますよ」と言う声を多く頂いたこともあって、今回は少しマイナーな本をチョイスしてみました。




どんな会社であってもこの3契約はあるはず

ライセンス契約と聞いて「あ、オレメーカー法務じゃないし」「特許とか意匠は知財担当がいるから・・・」と思ったあなたも一見の価値あり。

なぜならこの本は、
1)トレードシークレット
2)著作権
3)商標
という、どこの会社でも発生可能性のある3種類のライセンス契約に絞っているから。

著者の山本孝夫さんが商社(三井物産)ご出身ということもあり、当たり前のように英文契約をベースに典型的な契約条項を取り上げて解説していきます。

まず、契約例文と日本語対訳があり、
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その下に山本さんの国際契約経験の豊かさを感じさせる具体的エピソードを交えた解説が加えられていく、
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という構成になっています。

英文契約ならではの言い回しそのものの解説は端折られていますので、英文契約の基礎をすでに勉強してある中級者以上向けといえるかもしれません。


京大カード式英文契約自習法が書籍に昇華

本の内容以上に私を刺激したのが、あとがきとしてかかれていた、若き日の山本さんの英文契約自習法。

早川先生の『法律英語の常識』他で基礎知識を習得しながら、『Jones Legal Forms』を片手に見よう見まねで英文契約を作成し、それを顧問の外国法弁護士(極東裁判で重光葵を弁護したジョージファーネス弁護士)に筆を入れてもらう日々。
その中で、実際の契約に頻繁に登場する重要条項を京大式カードに書き留めていくという作業を繰り返して、英文契約をものにされてきたそうです。

そして、このカード式条項集の集大成として出版されたのが、以前にも紹介している『英文ビジネス契約書大辞典』であり、厳選して出張にも持っていけるように新書版で出版したのが『英文契約書の書き方 (日経文庫)』『英文契約書の読み方 (日経文庫)』。

それに対して今回ご紹介のこの本『知的財産・著作権のライセンス契約入門』は、これらの本よりも専門的にライセンス契約の条項に特化しかつ携帯できるようにしたという位置づけなのだとか。

自分が手塩にかけて育てた愛着のあるツールがこんな風にバリエーション豊かに次々と書籍になっていくというのは、感慨もひとしおでしょうね。