ケース
Xは、平成20年1月より、電動ドリルの生産をYに委託し、製品に「Xスーパードリル」という表示を付して販売していた。
商品につけていた保証書には、購入後3年間の製品の無償補修が規定されていたが、それ以外の保証については記述されていなかった。
平成20年12月3日、工務店ZはXからこの商品を購入し従業員に使用させていたが、平成20年2月1日に、建設現場で、工務店Zの従業員Aが、このドリルで鉄板に穴を開けていたところ、突然ドリルの先端の金属が折れ指を負傷した。
問題
設問(1)
Aは、誰に対しどのような責任を追及できるか。
設問(2)
工務店Zは、誰に対しどのような責任を追及できるか。
回答
設問(1)
Aは、XおよびYに対しては製造物責任および不法行為責任を、Zに対しては安全配慮義務違反による債務不履行責任および不法行為責任を追及できる。
本件の場合、Xスーパードリルは製造物にあたり、XとYは製造業者等にあたる。Aが使用した態様はドリルを鉄板の穴あけに使うという通常かつ合理的な使用方法であり、購入後間も無く破損していることから欠陥が認められる可能性がある。これが欠陥と認められ当該欠陥によりAが負傷したのであれば、Aはその製造物の製造業者であるX及びYに製造物責任を追及できる。あわせて、Xに対しては欠陥のある商品の販売、Yに対しては欠陥のある商品の製造という過失により指を負傷したとして、不法行為責任を問うこともできる。
また、使用者であるZに対しては、欠陥のあるドリルを労働者であるAに使用させたことについて、安全配慮を欠く行為と主張し、債務不履行責任および不法行為責任を追及することができる。
設問(2)
Zは、XからXスーパードリルを購入しているので、Xに対し売買契約に基づく債務不履行責任を追求することができる。
また、Yに対し欠陥のある商品を製造したことにつき過失があったとして、不法行為責任を追求することができる。
加えて、Aの負傷により拡大損害が生じていれば、ZはXおよびYに対し製造物責任を追及することも可能である。
要復習ポイント(自分用メモ)
・不法行為責任の追及を忘れないこと。
参考文献
・製造物責任について(P490〜)
(ビジネス実務法務検定試験1級公式テキスト Case21を基に検討)









