ケース
Aは、自動車販売事業を行っている。拡販のため、3ヵ月後からインターネット上で一般顧客向けに自動車販売ビジネスを開業すべく、計画を進めている。
問題
Aの法務担当として、以下の点について結論と理由を答えよ。
設問(1)
Aは、ウェブページの中に顧客との契約条件を記載し、その条件で顧客を拘束することを予定している。日本法のもとでこのような方法は法的に有効か。
設問(2)
Aは、ウェブページ上の顧客との契約条件の中で、クーリングオフ制度について規定する必要はあるか。
設問(3)
Aは、乗用車Xを、通常の自動車販売業者に対する卸価格を150万円に設定し、他方自社のウェブページでは同じ150万円で小売販売する予定である。法的な問題点を挙げよ。
設問(4)
Aは、乗用車Xを購入した顧客の中から、抽選で5人に市場価格30万円相当のパソコンを景品でプレゼントする販売促進策を企画した。法的な問題点がないか検討せよ。
回答
設問(1)
有効である。
このような契約形態は附合契約と言われるが、契約条件があらかじめ明示されており、その内容を顧客に確認させた上で同意させるものであれば問題は無い。
なお、消費者契約法により、重要事項について虚偽の記載をしていた場合には消費者に取消権が認められているほか、消費者に一方的に不利な契約条件は無効となるため、このような不当な説明・契約内容としないよう注意が必要である(同法8条乃至10条)。
また、電子契約法により、インターネット取引においては、顧客の申し込みの操作が誤操作であったときでも、錯誤による無効が認められるため、消費者の意思を確認する画面を設ける等の措置を講じておく必要がある(同法3条)。
設問(2)
不要である。
インターネットを用いた通信販売については、クーリングオフを規定する特定商取引法の規制対象外である。
設問(3)
独占禁止法上の指定3項(価格差別)または指定4項(取引条件の差別的取扱い)に該当する恐れがある。
Aのウェブサイト直売価格と販売店への卸価格を同額に設定すると、販売店のマージンを乗せる分、乗用車Xを購入しようとする消費者にとってはAのウェブサイトから購入するほうが安くなることから、このような価格設定は不公正な取引方法と判断される可能性が高い。
設問(4)
景品表示法上問題となる。
Aが行う販促は、購入者のみを対象としていることからクローズド懸賞に該当し、この場合取引価額が5,000円以上の場合、10万円が上限とされる。本ケースでは乗用車Xの価格が150万円であることから、懸賞額の上限は10万円となり、30万円のパソコンはこれを上回るため問題となる。
要復習ポイント(自分用メモ)
・電子契約法=電子消費者契約及び電子承諾通知に関する
民法の特例に関する法律
・独禁法の指定項がすぐ出てこない。
・景表法のクローズド懸賞規制の理解が曖昧。
参考サイト
▼景品規制の概要―公正取引委員会
(ビジネス実務法務検定試験1級公式テキスト Case42を基に検討)









