広告を全く出さない会社は存在しないと言ってよいでしょう。

一方で、広告に関する法律は
・不正競争防止法
・景品表示法
・特定商取引法
・著作権法
 …
と、経済法、消費者保護法、知的財産法と幅広い法分野をまたがって複数の法律が乱立・関連しているため、よっぽど広告会社の法務部所属の方でもないと、きちんと全体像を理解できている自信は持て無いのでは。

そんな法務パーソンの心細さを解消してくれる本がこちら。



広告六法という体系の提案

最大の見所は、著者らが提案する「広告六法」という体系。

先述したように、あまりにも体系化されていない広告に関する法律のいくつかを、著者なりに体系化したものです。

それがこれ。
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・消費者基本法
・民法
・不正競争防止法
・商標法
・著作権法
・景品表示法
を広告における六法と位置づけ、その周辺法を体系化しています。

特徴的なのは、産業財産権法の上位に不正競争防止法を位置づけているところでしょうか。

学問的な視点で整理すると、不正競争防止法は営業標識・ドメイン名を守る知財法の一つという位置づけですが、この広告六法の中では、“模倣禁止法”の代表格としてのこの位置づけ。

こういったところに主張の独特さはあるものの、権利や義務で法律を体系化するのはなく、広告というビジネス活動から法体系を整理しなおすという視点は古くて新しい発想法なのではないかと。


いい意味で総花的

私がこの本に出会ったのは、景品表示法に関する専門書を探していたとき。

残念ながら、この本は下記の目次を見てもわかるとおり、景品表示法を深掘りする専門書ではなく、表現の自由の話から始まって著作権の解説や契約法の話まで、むしろ総花的に解説する書でした。

第1章 広告と法規
第2章 広告メディアと法規
第3章 表示と景品の法的規制
第4章 広告の倫理基準と公正競争規約
第5章 広告と知的財産権
第6章 広告と著作権
第7章 広告取引契約
第8章 諸外国の広告規制

でも私のような非広告業在籍法務パーソンには、この総花さ加減が丁度良かったと思います。

景品表示法の話なんて、学問的にはそれほど深い話じゃないから専門書がないんだなぁということも、第1章〜第4章を読みながら広い視野で広告法規を捉える中で自分自身の腹に落ちましたし、屋外広告物法・屋外広告物条例なんていう法律まであるんだという知見が得られたのも、総花的な切り口だからこそ。

それぞれの法律について深い知識は無くても、自社の事業に関する法的リスクについて知らない・気づけないことをできる限り潰しておくことは、法務パーソンに求められている意識だと思います。

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